穴ぼこ生活

穴ぼこの空いた数だけ書き記すお気楽ブログ。穴ぼこ人生ここに極まリ!

辞めるな森喜朗!

絵に描いたような炎上騒ぎになっているね。
しかも援軍に駆けつけた連中が、火消しどころか油を注いでいくアホばかりなもんだから、益々燃え盛るというコントのような展開になっている。
で、さすがのIOCもまずいと思ったのか、森会長擁護のスタンスから180度変えたみたいだけど、スポンサー筋のグローバル企業にとっては、見過ごす訳にもいかない失言だけに、どうやら辞任の方向で追い込まれた模様。

www.jiji.com

ただ穴ぼこオヤジ的には、まだまだ森さんには頑張って会長の地位に留まっていただき、今まで通りの辣腕を振るって欲しいと強く思っていたので残念でならない。
というのも、このまま辞任となると、誰が後任なろうと、東京オリンピック開催に向けての惰性が続くことにもなるので、むしろ東京オリンピックを確実に中止に導くためにも、即ち日本社会に巣くう惰性の力学を止めるには、是非とも森会長には職に留まってもらい、今回以上の爆弾失言をぶっ放していただいて、惰性の息の根を止める役割を果たしてもらいたいと切に願っていたんだけどね。

そもそも「東日本大震災の復興の証」としていた東京オリンピックだったはずが、いつの間にやら「コロナに打ち勝った証」に変わっただけでも?マークが付きまくりなのだけど、思い起こせば、福島の原発事故をアンダーコントロールとのたまってもいた訳で、まさに虚飾にまみれたオリンピックでしかないんだよね。
でもそれって、被災者を蔑ろにしただけでなく、今回の件では、国民を愚弄したことにもなる訳で、そうまでして開催に固執している様は、コロナ禍のGO TOキャンペーンしかり、太平洋戦争の時代から権力者のメンタリティは何ら変わってはいないということだ。
要は惰性で成り立ってきたのが日本という社会であり、そして国家でもあり、だからこそ男社会のまま今に至り、そして男社会によって何事も決められてきたんだよね。

ちなみに、穴ぼこオヤジ的には、震災復興と所得の再分配の政策の方が遥かに優先すべきことで、オリンピックにお金と人材を浪費なぞしている場合じゃないだろってのと、開催国で見受けられる、オリンピック後不況の影響が高いと考えていたので、当然、東京オリンピックには大反対の立場だったのだけど、ただ開催が決まったからには、復興五輪を謳う以上、原発事故を中心にした震災におけるお粗末な日本の政治状況が、海外メディアの厳しい目によって晒される絶好の機会にはなるだろうと期待していたものの、復興五輪の謳い文句が何の説明もなく忽然と姿を消した中、よもやこんな格好で、世界に日本政治のお粗末さが露わになるとことろまでは、さすがに想像してなかった。

ただ、ジェンダーギャップのレベルが先進国の中で最低クラスの国なので、海外からの目が注がれれば、かような歪が露わになるのは当然ちゃ当然の話。
そんな訳で、オリンピックが近づくにつれ、この先も日本が先進国じゃなくて実は後退国であることが世界にバレてしまう日々を、過ごす羽目に陥ていっていくんじゃないのかなと想像。

divot.hatenablog.com

ところで、あまりニュースになっていないけど、実はあの謝罪会見の中で森会長が「男性、女性、両性」という言い方をしていたりもして、こちらもジェンダー観が問われてもおかしくないレベルの発言が飛び出していたんだよね。
加えて、異様だったのが、質問に立った女性記者にだけマスクを外すように促してもいて、森さん本人は聞き取りずらいからと説明してたものの、マイクで記者の質問がしっかり聞こえてたことからして、思うに「アナタの顔は覚えましたよ」的な、それこそ女性を見下すような威圧感を与えたかった気すらしてしまって仕方がない。

ちなみに、この辺りの顛末は、まさに森会長が逆切れした質問を行った、わきまえない記者?TBSラジオの澤田大樹記者が武田砂鉄のラジオ番組で、現場の様子を語っていて、なかなか面白かった。


『アシタノカレッジ』武田砂鉄 × 椎名美智

で、この番組の中で澤田記者がとても重要な指摘をしていて、件の「女性の話が長い」が飛び出した、2月3日のJOCの臨時評議員会での森会長発言を報じたメディアを時系列で調べてみたところ、各社でかなりのタイムラグがあったとのこと。
女性蔑視の発言があった当時は各社スポーツ部が取材を行っていた可能性が高く、問題発言と捉えて報道に至るまでに社内のフィルターを経由することで、各社時間が掛かったのではないかと澤田記者は推察していたね。
つまりは、メディアの側にもそもそも女性差別における問題意識の乏しさが通底していて、今回の件を森会長個人だけにフォーカスしてしまうと、事の本質を見誤ってしまう根深い問題でもあるということなんだよね。

実際、海外メディアの方が積極的に報じたことで、それを受けて慌てて即日に謝罪会見を開いた流れもあったようで、日本のメディアの腰の引け具合は情けないの一言に尽きる。
なんでも、失言を遅ればせながら報じたNHKの第一報は、森会長の言動そのものではなく、それを報じる海外報道を取り上げたニュースだったのだとか。
まさに日本のメディアがどちらを向いて仕事をしているのかがよく分かる話だ。

少なくとも、欧米で森会長と同じような趣旨の発言を、しかるべき立場の人間が発したのなら、一発でレッドカード物だろう。
余人を以って代え難かろうが、元総理大臣だろうが、そんなこたぁ関係ない。
つまるところ、彼を擁護できるのは、利害関係者か同じ思考回路を持った人間しかいない訳で、そういった意味では、森会長の発言を巡って発せられる著名人のリアクションが、各々のスタンスを炙り出していて、なかなか味わい深かかったりもする。

www.jiji.com

中でも、いつもならバシッと決めてくれる橋下徹が、ことこの件に関しては擁護なんだか批判なんだか、歯切れの悪いコメントを連発していて笑わせてもらった。
あれこれ計算を働かせ過ぎて、どっちつかずになってるやん。

www.sponichi.co.jp

一方、違う計算を働かせたのが稲田朋美せんせ。

www.daily.co.jp

公然と森発言を批判してるようだけど、即ち、これまでの保守路線はビジネスでしたと、自らカミングアウトしているようなもんで、計算高いんだか馬鹿なんだか、もはや訳が分からなくなっている。
ただし、面の皮が厚いことだけは確かだけど。
いずれにしても、橋下氏にしろ稲田氏にしろ、本来、高い見識を持っているであろう弁護士出身にも関わらず、脳味噌に糞が詰まっているような醜い連中が幅を利かせているっていう話だ。

かと思えば、森会長を「老害」呼ばわりをして批判をする連中がうじゃうじゃいるのにも辟易させられて仕方がない。
彼等もまた女性差別を無自覚に行う森会長と同じ脳味噌の作りをしていると言うことだ。
年を重ねても理解力や柔軟性が高い人はいくらでもいるし、そもそも今回のような森会長の言動は今に始まったことでもないのだから、これを「老害」で片づけるのは差別的な物言いでしかないんだよね。
ついでに言うと、大手メディアを「マスゴミ」と揶揄する人もネットではかなり見受けられるけど、これもまた同じ森脳カテゴリーに分類して差し支えないと思っている。
穴ぼこオヤジもマスコミ(メディア)の劣化は大いに感じているところではあるけれど、それこそTBSラジオの澤田記者のように、ジャーナリズム精神を失わずに報道に関わっている人達もまだまだいる訳で、マスゴミと称してメディアの情報を否定することは、彼等がもたらしてくれる有益な情報までをも否定することになり、実は差別意識と地続きの行為でもあるんだよね。
むしろ、庶民の知る権利を守るためにも、メディアのジャーナリズムの火を消さないように支えていくことの方が大切だと強く思うのだけど。
なので「老害」しかり「マスゴミ」を声高に叫ぶ人の話は、批判ではなく単なる誹謗中傷でしかないので信用に値しないと思う次第。

いずれにしても、果たして東京オリンピックの開催はどうなるのだろう?
そもそもコロナ禍が無かったとしても、暑さ対策や環境整備に問題を抱えまくりで、まともに開催できるのか怪しかっただけに、これにコロナ対策というオリンピック史上、前代未聞の難題を抱える羽目になった上に、オリンピック組織の糞みたいな実態をも露呈してしまった訳で、ましてや国内世論も中止か延期に傾いている中、残り僅か6か月弱で開催が迎えられるとは到底思えないのだけど。
そこでもって、このブログをだらだらと書いている間にも、川淵三郎の名前が後任候補に挙がってるみたいだけど、開催するにせよ中止延期にするにせよ、猛烈な賛否が渦巻くことは必至な訳で、大火傷を負うことが分かっている栗をわざわざ拾いに行くこたぁないのにねぇ。
わきまえることが一番大事なミッションになりそうだけど、どちらかというと、あまりわきまえない人だけに、果たして後任として上手くいくのかどうか。
ただ穴ぼこオヤジ的には、中止になるのなら上手く行かないで欲しいところなんだけど、まぁわきまえるんだろうなぁ。

そんな訳で、JOCは元よりIOCそのものがオリンピックをう行う為に造られている組織だけに、彼らが自らの判断で中止の決定を下すことはまずありえない。
となると、流れを変えられるのは政治ということになるのだけど、惰性の中に存在している菅政権がそんな決断をするはずもなく、最終的には、選手とスポンサーの意向が鍵になるのだろう。
とはいえ、彼らとて開催したいのはやまやまな訳で、開催反対の立場の人間からすると、もはや片道切符の電車に乗せられている気分でしかない。
いやむしろブレーキのついていない電車か?
なんせ各々の意思に関わらず、国民全員が無理やりオリンピック電車に乗せられた挙句、乗車拒否も許されないんで、ホントかなわん。

ただここまで来ると、もはやオリンピック云々というよりも、見どころとしては、世界に向けて日本が後退国であることを隠し通せるのか、それとも露見することになるのか、ある種、歴史的な場面に立ち会うことになるのかもしれないね。
まぁでも隠し通すことは不可能だろうね、なんせ「男女平等」とは言わずに「男女共同参画」と言っているような国だもの。

f:id:divot:20210212102032j:plain:w500