穴ぼこ生活

穴ぼこの空いた数だけ書き記すお気楽ブログ。穴ぼこ人生ここに極まリ!

「嫁」にさせていただきます

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いずれこんな騒動が起きるだろうなと思ってはいたけど、これ非常に悩ましい問題だよね。
というのも日本語には、偏ったジェンダー観が語源と思われる言葉がかなりあって、個人的なポリシーとしては、穴ぼこブログでは極力使わないようしているつもりなのだけど、ただし「穴ぼこ嫁」を除くという但し書きは必要かも。

そもそも、穴ぼこブログを始めた時に自分の配偶者をどう表そうかと、それなりに考えたのだけど、結局、語呂やニュアンスを優先して「穴ぼこ嫁」に至ったという次第。
恐らく一般的には「妻」という言葉が当てはまるのだろうだけど、実生活ではほとんど使わない上に「穴ぼこ妻」となると、まるでイメージが変わってきてしまう。
もとい「妻」の語源からしても、実は添え物(刺身のツマ)的な意味合いがあるようで、他にも「家内」「奥さん」「女房」と様々バリエーションはあるものの、いずれの語源もやはり女性を卑下しているところから派生してはいるんだよね。
一方で「かみさん」なんてのもあるけど、これは敢えて逆の言葉を使っている辺りからして、本質的に違いは無いとも言えるし。
かといって、「相方」「パートナー」や「連れ合い」ってのもなんだかしっくりこない。

ただ、言葉の持つ意味は時代と共に変化していくものなので、あまりセンシティブに考えるのもどうかとは思う。
例え語源が男尊女卑的な意味合いからだったとしても、現代では一般化、記号化されていたりもするので、言葉狩りのようなことになるのは少し筋が違うようには思うよね。

ちなみに、非常にユニークな例としては「貴様」という言葉があるけど、これ本来は敬語や丁寧語として使われていた言葉だそうで、確かに使われている漢字はまさに敬う字ばかりなんだけど、もし現代で、先輩や上司に対して「貴様」と呼ぼうものなら、えらいこっちゃになってしまう訳で、まさに言葉の持つ意味が時代と共に180度も変質したケースとなっている。
なんでも、多くの人々がその言葉を使い始めると、そこに新たな意味や用法などアレンジが加えられていき、語源から独立して変化していくことがあるのだそうな。

ってなことを、先日、「させていただきます」が気になっている武田砂鉄のラジオ番組にトークゲストとして出演していた「させていただきます」についての著作を出した大学教授が話していたのを、膝を打ちながら聴いておりました。

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あと、一般化する上では若い世代の影響力が強くて、特に女子高生カルチャーの存在が大きいとも言ってたね。
ある意味、言葉を巡る保守と革新の闘いって感じだわな。

ただ、女性にまつわる言葉の場合は、「させていただきます」や「貴様」といった尊敬語や丁寧語と違って、語源は元より言葉そのものもに偏ったジェンダー観が示されているものも多いので、言葉が持つ意味が変化してきたというよりは、社会意識が変わってきたことによって、その言葉の捉え方も変化してきたケースなのだと思う。

特に「姑息」「老婆心」や「女々しい」なんかは現代のジェンダー観に照らせば、女性蔑視が過ぎる言葉にしか見えない訳で、さすがにセンシティブにならざるをえないし、他方、「男前」や「男勝り」とか「男らしい」なんてのにも逆説的に同じことが言えるのだと思う。

それこそ、「男なら泣くな!」なんてことも言えない世の中なんて、そんな息苦しい時代はおかしい、とのたまっていたワイドショーの司会者を目にしたけど、かようなジェンダー観が差別と地続きであることが、まったく自覚できていないご様子で愕然とした。

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「男らしさ」を無自覚に強要されることの方が、よっぽど息苦しいはずなんだけどね。
こういうのって、いまだ体罰を教育熱心に変換して肯定する風潮と同じ匂いを感じてしまう。
例えば親が「男らしさ」や「女らしさ」持ち出すのも、教師が体罰を振るうのも、実は彼等自身が役割を手抜きをしたり支配するためのテクニックでしかないんだけどね。

そんな訳で、時代によって社会意識が変われば、それに伴って物の見方や価値感も変わるのは当たり前の話な訳で、意味を失っていく言葉もあれば、意味が変わっていく言葉が現れるのも、ごく自然の流れではあるんだよね。
即ちそれは、社会の変化をどれだけアップデートしているのかが、語られる言葉によっても証明されるということだ。

それこそ森前会長の失言は、まさにアップデートをしてこなかった証明であり、起こるべくして起こった、時代に取り残された戯言だったのだと思う。
とまぁ、時代遅れのコンテンツになりつつあるブログで語ったところで説得力はないけど?
んな訳で、しばらくは、穴ぼこ「嫁」にさせていただきます。

女子力男子 ~女子力を身につけた男子が新しい市場を創り出す

忌まわしい記憶

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いわゆるヤンエグ層に向けたライフスタイルや趣味を取り上げた雑誌を数多く出版していた「エイ出版」が倒産(民事再生)したとのこと。
たしか編集部が世田谷区の用賀にあるはずなんけど、東急田園都市沿線に特化した刊行物が多く、沿線のイメージアップに一役買っていた出版社だったように思う。
ちなみに都内に詳しい人なら分かると思うけど、田園都市線と並行するように小田急線も都心から郊外を結ぶ路線となっているのだけど、両電車のイメージはまるで好対照なんだよね。
そんでもって、穴ぼこオヤジは10代の頃から小田急沿線住まいだったので、庶民派の小田急沿線とは異なる、垢抜けた雰囲気の田園都市沿線を嫉妬混じりの冷ややかな眼差しで眺めながら育ってきたのだった。
ところで、町田の七不思議のひとつに、小田急のお膝元の町田になぜだか東急のデパートがあるのだけど、一説によると終点を町田に予定していた田園都市線の路線計画がとん挫してしまったからなんて噂もあったり。

そんな訳で、エイ出版から出ている雑誌は小田急沿線の養分で育った人間からすると、おいそれと手に取る訳にはいかないプライドが働くのだけど、あろうことか町田本だったり、ロードバイクやトレッキング関連といった穴ぼこオヤジ心をくすぐるような出版物も数多く出していたりするので、不本意ながら我が家の本棚にはエイ出版関連コーナーが出来そうなぐらいになっていることを、この場で白状しておく。
ただし、そのほとんどはブックオフで手に入れた物で、せめてもの小田急線魂を示してはいるつもりなんだけどね。

町田本 最新版 (エイムック 3732)

で、ここからが本題。
今から10数年前、穴ぼこオヤジがそれまで働いていた音楽業界に見切りをつけて再就職を目指していた時のこと。
それまで、いくつかの某有名企業で音楽制作やレーベル事業に関わりながら働いていたのだけど、その間、保身に走る上司の裏切りにあったり、経営陣が頃々変わってその度に180度仕事の評価が変わったり、良かれと思って率先して泥仕事をしていたら自分が泥扱いされるようになっちゃったり、でもってその間に音楽不況の風も吹き荒れだし、自分の名刺の肩書も目まぐるしく変わり、ついには片道1時間半以上掛かる倉庫の一角のオフィスに追いやられ、最終的には自分が関わった事業の縮小を受けて無関係の部署に飛ばされそうになったところで、もはや限界に達して会社を辞めることになったんだよね。

で、ここで悪い流れが止まれば良かったんだけど、目処を立てていた次の就職先の話がおじゃんとなり、それでもなんとか頑張って、とあるレコード会社の役員面接まで辿り着けたこともあったのだけど、あえなく不採用となり、そうこうしている間に、いきなりリーマンショックによる突然の大不況。
いやほんと、坂道を転がり落ちていくようだった。

で、そこからは人生2度目の引きこもり生活に突入するのだけど、さすがに何かしら稼がなきゃいけないってことで、辛うじて残っている気力を振り絞りながら、なんとか務まりそうな仕事を探していた時に穴ぼこオヤジの目に留まったのが、件のエイ出版の募集だったんだよね。

ただし募集は雑誌の編集とかではなく、ゴルフ事業での募集。
というのも、当時、エイ出版では出版事業以外にも、飲食店などいくつかの他事業も展開をしていて、元々「EVEN」というファッション系のゴルフ雑誌も刊行していたことから、二子玉川に工房やゴルフレンジを備え、ハイブランドなクラブやウェアを取り扱うショップの運営を始めたばかりで、そこがスタッフの募集をしているのを見つけて、色々考えて面白そうだなと思って応募してみた次第。

EVEN 2021年3月号

で、ネットでエントリーシートの受付を行っていたので応募したところ、すぐに面接の連絡が。
でもって面接当日は履歴書不要とのことだったので、筆記用具と身だしなみを整えて、面接を行うお店のスタッフがいる件のゴルフショップへと向かったのだけど、その後、希望が打ち砕かれる地獄のような時間を過ごす羽目になろうとは…

面接会場となる店に到着し、ゴルフ業界を渡り歩いてきたであろう思しき年配スタッフ(面接官)の案内で小部屋に招かれて、さっそく面接が始まる。
するといきなり履歴書を見せてくださいと言われ、え?!聞いてねぇぞ、と慌てる穴ぼこオヤジ。
一応、人事の担当者から履歴書は不要の旨を事前に聞いていたことを伝えると、履歴書も持ってこないで面接を受けに来るとは、やる気があるのか!っといきなり怒りだす面接官様。
いや、人事の人からは履歴書は必要ないと言われてるのだと何度も説明したものの、言われたことしか出来ないのか!とか、そんなことが通用すると思っているのか!と益々ヒートアップし、まさに取りつくしまもない状態。
その後も、一応、仕事の内容や必要なスキルを説明しながら、いくつか質問を投げかけてくるのだけど、それに対する穴ぼこオヤジの答えをことごとく否定しまくる面接官。
挙句、穴ぼこヤジのこれまでの仕事のキャリアはおろか性格にまでダメ出しをしはじめ、しまいには、あなたのような人は社会ではやっていけない、とまで言われる始末。

それこそ、当時はまだ「圧迫面接」なんて言葉が知られている時代ではなかったけど、まごうことなき圧迫面接そのもので、というかもはやパワハラモラハラの領域だったと思う。
それこそ、端から採用するつもりがないのなら、とっとと面接を終わらせてくれればよいものを、30分以上に渡って、いかに穴ぼこオヤジが社会に不適格なのか延々とダメ出しをし続け、呆れられ、そして穴ぼこオヤジの存在や人格を完全に否定し尽くして面接は終了。

今思い出しても、いやホント、地獄のような時間だった。
恐らく、人生最大の屈辱を覚え、意識が朦朧としたまま田園都市線に乗り、ワナワナ震える手で穴ぼこ嫁に泣きのメールしたところで、穴ぼこオヤジの記憶が途絶えている。

学生時代にゴルフスクールのアルバイト経験があって、一時はゴルフ関連で生計を立てようと思ってたこともあり、それまでの音楽の仕事や就職活動で疲れきってしまっていたので、一縷の望みを持って面接に臨んだつもりだったのだけど、門前払いどころか、まさかのフルボッコで、完全に叩きのめされてしまった。

今だったら、こんなパワハラ上司の下でなんかで働きたくもねぇので、こっちから面接を切り上げるだろうし、そもそも採用しないのなら、その瞬間に穴ぼこオヤジはお店のお客様になるはずなので、客に向かってその態度はなんだぁ!と逆切れすることだって出来るんだけどね。
もしくは、逆にお客様になるような人に対する面接の態度ではないので、むしろ逆手に取ってこれって採用ですよね!って迫るパターンとか?
いずれにしろ、そんな訳で、言うまでもなく面接の結果は不採用。
まぁ結論から言えば、そんなゴルフショップで働かなくて正解であったとは思うけど。

ただし、当時の穴ぼこオヤジは、それまでに色々な事が重なって既に傷だらけのローラ状態で臨んだ面接だったので、とどめを刺されたようなもんで、自分が思っている以上に心に深い傷を負ったのだった。
というのも、その日を境に耳鳴りに悩まされるようになり、対人に怯え、人間不信に陥り、自信や気力も完全に失い、やがては毎日死ぬことばかりを考えるようにまでなってしまったんだよね。
まさに、鬱病街道まっしぐらで、最終的には心療内科でお墨付きを頂き、薬を処方してもらうところまで行き着いたのだった。

まぁ今にして思えば、そもそもメンタルが弱っていた上に、音楽業界慣れでつぶしが効かない感じだったりで、面接官の気に障るところがあったのかもしれないけど、だからといって、かような面接官の態度が許されていい訳では無いんだけどね。

ということで、エイ出版の倒産で、真っ先に思い浮かんできたのが、この忌まわしい記憶だったという話。
心の奥底に閉まったままにしていたつもりだったのだけど、期せずして蘇ってしまった。

ちなみに、その後、二度と足を踏み入れることの無かった件のゴルフショップは既に無く、どうやら数年前に閉店してたらしい。
あと、エイ出版が抱えていた一部の雑誌は、既にいくつかの企業に譲渡を終えていて、今後も継続していくのだそうな。

そんな訳で、面接ってば、そもそも良い思い出になるようなことは滅多にないのだろうけど、エイ出版倒産の報を聞いて、複雑な思いが湧いてきちゃった。
まぁ人生経験にはなったけどね。

ところで、穴ぼこオヤジを全否定したあの面接官のスタッフは、今度は面接を受ける立場になってその後、再就職でもしたのだろうか?
ちょっと気になる。


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気づけない人々

jisin.jp

女性蔑視発言から端を発した一連のドタバタ劇だけど、老いぼれた権力者の末路を見せつけられているようで、もはや喜劇ではなく、悲劇の様相を呈してきている。
で、前回更新時にも書いたように、そんな森会長を「老害」呼ばわりすることが女性差別と根っこは一緒だと考える一方で、ふと思ったのは「老害」って言葉が使われる時って、何気に年配の男性を指してばかりのような気が...

ということで、改めて「老害」の意味を調べてみると思ってた通り、要はネットから発展してきた言葉で、一般的な辞書には載っていない言葉だった。
要約すると、困った老人や他人に迷惑を掛けるような老人を指す時に用いられる言葉となっていて、まぁ穴ぼこオヤジも大体同じような認識でいたのだけど、唯一ネット辞典のgoo辞書に意味が書かれていたので読んでみたところ、かなり限定的な定義づけをしていて、なるほどと膝を打ってみた。

dictionary.goo.ne.jp

意味や解説、類語。企業や政党などで、中心人物が高齢化しても実権を握りつづけ、若返りが行われていない状態。

あぁこれって、まさに森会長のことじゃん。
というか、それこそ今回のドタバタ劇の核心部分そのものでしょ。

つまりは、年功序列やキャリアの年数によって組織のヒエラルキーが構築され、年長者になればなるほど権力が強化されていく旧態依然のシステムと、社会意識の変化との間で芽生えたギャップこそが、今回のドタバタ劇の正体なんだよね。
しかもその組織は男社会で構成され、端から女性が入り込む余地などほとんど無かった訳で、ジェンダーギャップが生まれるのもそら当然の話だし、と同時にジェネレーションギャップを生みだす源泉にもなっているということだ。

そんな訳で「老害」呼ばわりされるのが男性に偏りがちなのは、皮肉なことに男社会が「老害」を生み出しているからであり、更に言えば、男女差別や年齢差別とも表裏一体の相関関係にあるということも伺える。
ただし、goo辞書の意味のように明確な定義付けで用いれば「老害」は差別的な表現に当たらなくもないけど、現状での用いられ方は、老人である属性を絡めて貶めることを目的にしているのが多く見受けられ、差別的な意味合いを感じずにはいられない。
いずれにしても、一般的な定義付けがなされていない言葉だけに、気軽に使うべきではないだろうね。
果たして国語辞書に載ることがあれば、どんな意味が定義付けされるのだろうか。

ところで、穴ぼこオヤジは組織が大の苦手なので、かつて読売グループの渡辺恒雄の傍若無人な振る舞いを見て、なぜあんなヨボヨボのお爺ちゃんが権力者でいられるのか不思議で仕方がなかったんだけど、考えるに、実は彼が権力を掌握し実態を伴って行使していたのではなくて、組織のヒエラルキーによって下位の人達ががわきまえて動いていたに過ぎなかったようにも思えるんだよね。
要は、日本の権力構造はガバナンスではなくヒエラルキーによって守られてきたということでもあり、即ち、辞任する森会長自らが後任人事に動いて川渕三郎を独断で進めようとしたのも、まさにガバナンスが欠如した行為そのものだし、それこそ会議ではなく夜の会食で意思決定が図られたり、交渉ではなく根回しで物事を進めたりするのも、全てに通底しているように思えるんだよね。

まさに日本の旧態依然のシステムが女性差別の温床になっていることを、モーニングショーにも出演している浜田敬子が鋭く指摘している。
更にJOCに関する1年半前の興味深い記事も見つけてみた。

mainichi.jp

関係者によると、採決で反対したのは、シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング)の88年ソウル五輪銅メダリスト、小谷実可子氏(52)▽マラソンの00年シドニー五輪金メダリスト、高橋尚子氏(47)▽柔道の84年世界選手権金メダリスト、山口香氏(54)▽新体操のロサンゼルス五輪代表、山崎浩子氏(59)--の4理事で、いずれも女性。普段の公開の理事会でも積極的に発言する顔ぶれだった。

既に今日の事態を予想させる象徴的な出来事が数年前にあったんですな。
しかも、今まで公開してきたものを非公開にするって、まさに後退国そのものじゃん。
そういえば、どこぞの政権も非公開や黒塗りだったりシュレッダーが大好きだよね。
そりゃコロナ禍だろうが会食に勤しむってか。

要は、密室で物事が決まり、下々がそれをわきまえて実行に移すことで、この国の組織や権力が保たれてきた訳で、男社会だけでヒエラルキーを回し、そこに女性のみならずマイノリティな人々、即ち男社会にとって異質と思われるものを排除してきた体質が、日本の社会に染みついちゃってるんだろうね。
そんな旧態依然な男社会に染まった人々からすれば、恐らく、森会長自らも語っていたように、自身の発言が女性差別に値するということが、なかなか理解できないのだろう。

news.yahoo.co.jp

〝女性蔑視発言〟が発端となったが、小藪は「一部の発言を切り取って、印象を強めようという報道は別に今回だけでない」とした上で「僕も最初ネットかなんかで文字見たとき『あ、えらいこと言いはったな』と思ったんですけど、全文読んだら、たぶんみんな印象変わると思うんですよ」と分析。

こういった時に、安定の反応を示してくれるのが吉本芸人の小籔千豊
まぁ逆張り芸人でもあるけど、少なくとも、女性差別が飛び出した発言しかり、謝罪会見しかり、むしろ全文を読んだ方が、より差別的なジェンダー観が溢れているのだが、どうやら彼にもそれが理解ができないらしい。

森会長にしろ、そういえば二階幹事長も口にしていたけど、女性を称えたり、尊敬しているようなことを言えば女性差別ではないと思っている時点で、実はアウトなんだよね。
事の本質は、男社会を解体して密室を開放し、意思決定のプロセスの場に参加する同等の権利を、女性のみならず、あらゆる人々に保障することであり、森会長の発言は、組織のトップとして、その権利を女性という属性に紐づけた上で与えていないことを公然と明らかにしたからこそ差別に該当する訳で、要は人権の問題なんだけど、これを理解できないアホが、擁護する側はもちろんのこと、批判する側にもわんさといるようでマジで気が滅入る。
いくら女性に優しくしたりチヤホヤしていても、同等の権利が女性に認められていなければ、それは立派な女性差別なのだ。

結局のところ、それに気づいていない、かような無自覚な差別が実は一番厄介だったりも。
かくいう穴ぼこオヤジだって無自覚に差別をしていることはあるだろうし、無自覚であるがゆえに自分ではなかなか差別に気づけないという、ジレンマが常に存在していることでもあるんだよね。
ましてや、森会長や時の総理大臣のように、権力のヒエラルキーの上位に行けば行くほど、周囲はわきまえたり忖度する連中で固められていくので、権力が強まるほど、気づきを得る機会を失い、余計に無自覚な差別を振りまくることにもなっちゃうんじゃないのかな。

つまりは、差別を無くすには、いかにして気づき、気づいた時点でいかに変えられるかが大事なんだと思うけど、さすがに密室じゃ、気づきが得られることはほとんどないだろうね。

ということで、最後に僭越ながら、素晴らしい功績を築きながら、メディアに発言を切り取られて辞任に追い込まれ、涙ながらに男同士の契りを交わした川渕さんに後任を託せなかった森会長へ、ある著名なメッセージを送らせていただきたいと思う。

www.elle.com

「『最高裁判所に何人の女性判事がいれば十分か』と聞かれることがあります。私が『9人』と答えるとみんながショックを受けます。でも9人の判事が全員男性だったときは、誰もそれに疑問を抱かなかったのです」

昨年、惜しまれながら亡くなったアメリ最高裁の女性判事”ルース・ベイダー・ギンズバーグ”が生前に語っていた言葉。
ちなみにアメリ最高裁判事の定員は9人。
とあるインタビュー対してジョークとして語られた言葉らしいけど、非常に示唆に富んだ、重いメッセージが込められているように思うね。
それこそ4~5名の半数近くであれば男女平等だろうと単純に考えてしまった穴ぼこオヤジに、大いなる気づきをもたらせてくれた言葉でもある。
でもって実際に9名の判事全員が女性であったとしたら、果たして全員が男性判事で下される判決と同じ判決が下されていたのだろうか?というまさに「法の下の平等」にも通じる話で、ホント深く考えさせられる。

これ日本に置き換えると、例えば国会だと600人の女性議員に対して男性議員は100人程度になるし、JOCの役員なら20人の女性理事に対して男性理事は僅か5人ということになる。
そして重要な意思決定は女性だけでお茶をしながら決められ、男性の参加が許された女性だらけの会議では決定事項が追認されていくだけで、挙句、発言権を与えられたかと思えば、男は話が長いと言われる始末。
しかも当の女性達は、男に手料理を食べさせたりして優しくしているので、男性を差別しようなんてちっとも思ってないわ、と悪びれる様子もなし。

それでもあなたは、男性は差別されていないと言えますか。
あたしゃ言えないよ。

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辞めるな森喜朗!

絵に描いたような炎上騒ぎになっているね。
しかも援軍に駆けつけた連中が、火消しどころか油を注いでいくアホばかりなもんだから、益々燃え盛るというコントのような展開になっている。
で、さすがのIOCもまずいと思ったのか、森会長擁護のスタンスから180度変えたみたいだけど、スポンサー筋のグローバル企業にとっては、見過ごす訳にもいかない失言だけに、どうやら辞任の方向で追い込まれた模様。

www.jiji.com

ただ穴ぼこオヤジ的には、まだまだ森さんには頑張って会長の地位に留まっていただき、今まで通りの辣腕を振るって欲しいと強く思っていたので残念でならない。
というのも、このまま辞任となると、誰が後任なろうと、東京オリンピック開催に向けての惰性が続くことにもなるので、むしろ東京オリンピックを確実に中止に導くためにも、即ち日本社会に巣くう惰性の力学を止めるには、是非とも森会長には職に留まってもらい、今回以上の爆弾失言をぶっ放していただいて、惰性の息の根を止める役割を果たしてもらいたいと切に願っていたんだけどね。

そもそも「東日本大震災の復興の証」としていた東京オリンピックだったはずが、いつの間にやら「コロナに打ち勝った証」に変わっただけでも?マークが付きまくりなのだけど、思い起こせば、福島の原発事故をアンダーコントロールとのたまってもいた訳で、まさに虚飾にまみれたオリンピックでしかないんだよね。
でもそれって、被災者を蔑ろにしただけでなく、今回の件では、国民を愚弄したことにもなる訳で、そうまでして開催に固執している様は、コロナ禍のGO TOキャンペーンしかり、太平洋戦争の時代から権力者のメンタリティは何ら変わってはいないということだ。
要は惰性で成り立ってきたのが日本という社会であり、そして国家でもあり、だからこそ男社会のまま今に至り、そして男社会によって何事も決められてきたんだよね。

ちなみに、穴ぼこオヤジ的には、震災復興と所得の再分配の政策の方が遥かに優先すべきことで、オリンピックにお金と人材を浪費なぞしている場合じゃないだろってのと、開催国で見受けられる、オリンピック後不況の影響が高いと考えていたので、当然、東京オリンピックには大反対の立場だったのだけど、ただ開催が決まったからには、復興五輪を謳う以上、原発事故を中心にした震災におけるお粗末な日本の政治状況が、海外メディアの厳しい目によって晒される絶好の機会にはなるだろうと期待していたものの、復興五輪の謳い文句が何の説明もなく忽然と姿を消した中、よもやこんな格好で、世界に日本政治のお粗末さが露わになるとことろまでは、さすがに想像してなかった。

ただ、ジェンダーギャップのレベルが先進国の中で最低クラスの国なので、海外からの目が注がれれば、かような歪が露わになるのは当然ちゃ当然の話。
そんな訳で、オリンピックが近づくにつれ、この先も日本が先進国じゃなくて実は後退国であることが世界にバレてしまう日々を、過ごす羽目に陥ていっていくんじゃないのかなと想像。

divot.hatenablog.com

ところで、あまりニュースになっていないけど、実はあの謝罪会見の中で森会長が「男性、女性、両性」という言い方をしていたりもして、こちらもジェンダー観が問われてもおかしくないレベルの発言が飛び出していたんだよね。
加えて、異様だったのが、質問に立った女性記者にだけマスクを外すように促してもいて、森さん本人は聞き取りずらいからと説明してたものの、マイクで記者の質問がしっかり聞こえてたことからして、思うに「アナタの顔は覚えましたよ」的な、それこそ女性を見下すような威圧感を与えたかった気すらしてしまって仕方がない。

ちなみに、この辺りの顛末は、まさに森会長が逆切れした質問を行った、わきまえない記者?TBSラジオの澤田大樹記者が武田砂鉄のラジオ番組で、現場の様子を語っていて、なかなか面白かった。


『アシタノカレッジ』武田砂鉄 × 椎名美智

で、この番組の中で澤田記者がとても重要な指摘をしていて、件の「女性の話が長い」が飛び出した、2月3日のJOCの臨時評議員会での森会長発言を報じたメディアを時系列で調べてみたところ、各社でかなりのタイムラグがあったとのこと。
女性蔑視の発言があった当時は各社スポーツ部が取材を行っていた可能性が高く、問題発言と捉えて報道に至るまでに社内のフィルターを経由することで、各社時間が掛かったのではないかと澤田記者は推察していたね。
つまりは、メディアの側にもそもそも女性差別における問題意識の乏しさが通底していて、今回の件を森会長個人だけにフォーカスしてしまうと、事の本質を見誤ってしまう根深い問題でもあるということなんだよね。

実際、海外メディアの方が積極的に報じたことで、それを受けて慌てて即日に謝罪会見を開いた流れもあったようで、日本のメディアの腰の引け具合は情けないの一言に尽きる。
なんでも、失言を遅ればせながら報じたNHKの第一報は、森会長の言動そのものではなく、それを報じる海外報道を取り上げたニュースだったのだとか。
まさに日本のメディアがどちらを向いて仕事をしているのかがよく分かる話だ。

少なくとも、欧米で森会長と同じような趣旨の発言を、しかるべき立場の人間が発したのなら、一発でレッドカード物だろう。
余人を以って代え難かろうが、元総理大臣だろうが、そんなこたぁ関係ない。
つまるところ、彼を擁護できるのは、利害関係者か同じ思考回路を持った人間しかいない訳で、そういった意味では、森会長の発言を巡って発せられる著名人のリアクションが、各々のスタンスを炙り出していて、なかなか味わい深かかったりもする。

www.jiji.com

中でも、いつもならバシッと決めてくれる橋下徹が、ことこの件に関しては擁護なんだか批判なんだか、歯切れの悪いコメントを連発していて笑わせてもらった。
あれこれ計算を働かせ過ぎて、どっちつかずになってるやん。

www.sponichi.co.jp

一方、違う計算を働かせたのが稲田朋美せんせ。

www.daily.co.jp

公然と森発言を批判してるようだけど、即ち、これまでの保守路線はビジネスでしたと、自らカミングアウトしているようなもんで、計算高いんだか馬鹿なんだか、もはや訳が分からなくなっている。
ただし、面の皮が厚いことだけは確かだけど。
いずれにしても、橋下氏にしろ稲田氏にしろ、本来、高い見識を持っているであろう弁護士出身にも関わらず、脳味噌に糞が詰まっているような醜い連中が幅を利かせているっていう話だ。

かと思えば、森会長を「老害」呼ばわりをして批判をする連中がうじゃうじゃいるのにも辟易させられて仕方がない。
彼等もまた女性差別を無自覚に行う森会長と同じ脳味噌の作りをしていると言うことだ。
年を重ねても理解力や柔軟性が高い人はいくらでもいるし、そもそも今回のような森会長の言動は今に始まったことでもないのだから、これを「老害」で片づけるのは差別的な物言いでしかないんだよね。
ついでに言うと、大手メディアを「マスゴミ」と揶揄する人もネットではかなり見受けられるけど、これもまた同じ森脳カテゴリーに分類して差し支えないと思っている。
穴ぼこオヤジもマスコミ(メディア)の劣化は大いに感じているところではあるけれど、それこそTBSラジオの澤田記者のように、ジャーナリズム精神を失わずに報道に関わっている人達もまだまだいる訳で、マスゴミと称してメディアの情報を否定することは、彼等がもたらしてくれる有益な情報までをも否定することになり、実は差別意識と地続きの行為でもあるんだよね。
むしろ、庶民の知る権利を守るためにも、メディアのジャーナリズムの火を消さないように支えていくことの方が大切だと強く思うのだけど。
なので「老害」しかり「マスゴミ」を声高に叫ぶ人の話は、批判ではなく単なる誹謗中傷でしかないので信用に値しないと思う次第。

いずれにしても、果たして東京オリンピックの開催はどうなるのだろう?
そもそもコロナ禍が無かったとしても、暑さ対策や環境整備に問題を抱えまくりで、まともに開催できるのか怪しかっただけに、これにコロナ対策というオリンピック史上、前代未聞の難題を抱える羽目になった上に、オリンピック組織の糞みたいな実態をも露呈してしまった訳で、ましてや国内世論も中止か延期に傾いている中、残り僅か6か月弱で開催が迎えられるとは到底思えないのだけど。
そこでもって、このブログをだらだらと書いている間にも、川淵三郎の名前が後任候補に挙がってるみたいだけど、開催するにせよ中止延期にするにせよ、猛烈な賛否が渦巻くことは必至な訳で、大火傷を負うことが分かっている栗をわざわざ拾いに行くこたぁないのにねぇ。
わきまえることが一番大事なミッションになりそうだけど、どちらかというと、あまりわきまえない人だけに、果たして後任として上手くいくのかどうか。
ただ穴ぼこオヤジ的には、中止になるのなら上手く行かないで欲しいところなんだけど、まぁわきまえるんだろうなぁ。

そんな訳で、JOCは元よりIOCそのものがオリンピックをう行う為に造られている組織だけに、彼らが自らの判断で中止の決定を下すことはまずありえない。
となると、流れを変えられるのは政治ということになるのだけど、惰性の中に存在している菅政権がそんな決断をするはずもなく、最終的には、選手とスポンサーの意向が鍵になるのだろう。
とはいえ、彼らとて開催したいのはやまやまな訳で、開催反対の立場の人間からすると、もはや片道切符の電車に乗せられている気分でしかない。
いやむしろブレーキのついていない電車か?
なんせ各々の意思に関わらず、国民全員が無理やりオリンピック電車に乗せられた挙句、乗車拒否も許されないんで、ホントかなわん。

ただここまで来ると、もはやオリンピック云々というよりも、見どころとしては、世界に向けて日本が後退国であることを隠し通せるのか、それとも露見することになるのか、ある種、歴史的な場面に立ち会うことになるのかもしれないね。
まぁでも隠し通すことは不可能だろうね、なんせ「男女平等」とは言わずに「男女共同参画」と言っているような国だもの。

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コロナが炙り出す偽政者と犠牲者、だがしかし

文字通り「焼け石に水」としか言いようのない、張りぼてだらけの緊急事態宣言が出された。
国民が滅ぼうとも経済を進めるという様は、まるで片道切符の戦いを続けた太平洋戦争さながらだと思うのは穴ぼこオヤジだけだろうか。
ただし、戦争は降伏することで終止符を打つことはできるけど、コロナは克服する以外に終止符は打てない訳で、即ち、現政権はもはや玉砕に向かって突き進んでいるとしか言いようがない。
とはいえ、菅総理にはそんな覚悟(あってたまるかという話ではあるが)どころか自覚すら無いってのが、もはや救いようのない話だけれど。

そんな訳で、さすがは歴史修正主義者が数多く集う政党や政権だけのことはある。
過去の歴史を直視しなければ、同じ過ちを繰り返すのは自然の摂理な訳で、未だモリカケ桜問題を軽視する輩が散見されるけど、情報公開を拒むどころか隠蔽や改ざんが横行する現政権の体質は、まさに歴史修正主義そのものであり、かような連中に危機管理が務まるはずもないのは、考えるまでもない話なんだよね。
ましてや、学術会議の任命問題が示したように、反知性主義にもまみれている訳で、知見を欠いた今回の緊急事態宣言を見るにつけ、もはや政権のご都合主義(一時的な損得勘定もしくは損得感情?)で国政が為されていると言っても過言ではないだろう。
こういう時こそ、総合的俯瞰的判断が必要なんじゃね?

そんなこんなで、あまりの菅政権の愚策っぷりに、既存メディアやネットのみならず、政権寄りのなんちゃって評論家の皆様までもが、批判を浴びせるようになってきたけど、そもそも安倍政権が誕生してからというもの、菅政権に至るまで彼らの体質はなんら変わってはいない訳で、かような政権が続けば、やがて日本は崩壊するだろうと思っていた穴ぼこオヤジからすると、正直、何を今更という感じだ。
即ち、我が身に火の粉が降りかかりそうになってから批判の声を挙げたところで、既に手遅れなのが政治というもの。
国民にしろ政権にしろ、平時における危機意識や創造力の欠如が現在の混迷をもたらしている訳で、まさに愚民国家の成れの果てを見ている思いがする。
政治や社会に対して無責任で無関心な国民からは、政治や社会に対して無責任で無関心な政治家しか生まれないのは、そら当たり前の話な訳で、そういった意味では、日本はまだまだ民主主義政治が機能しているんだな、という皮肉すら言いたくもなる有様なんだよね。

ただ、危機管理が難しいなと思うのは、為政者(政権や首長)からすると危機管理は厄介な性質を持った政策課題でもあるということ。
というのも、昨今の水害や原発事故が典型例であるように、仮に万全の危機管理を行うのであれば、あらゆるリスクを最大に見積もって予算を掛けて対策を講じればいい話なんだけど、しかし一方で危機が訪れない限りは、税金の無駄遣いという批判を招きかねない側面があり、為政者の動きを鈍くさせてしまうんだよね。
他方、仮に予算を割いて政策を実行し危機を未然に防ぐようなことがあったとしても、本当はグッジョブであったにも関わらず、結果的に惨事には至っていないので、そのまま何事も無かったかのように見過ごされて正当な評価も受けにくいという側面もこれまたある訳で、為政者の立場からすると、危機管理を積極的に行うことで得られる政治的なメリットがさほど多くはなく、平時における危機管理のプライオリティが低くなりがちなのは認識しておく必要があると思う。

ただしかような正常性バイアスも平時ならまだしも、現在のような緊急時でとなると、さすがに為政者の資質が問われるのは当然の話。
そういった意味では、為政者の振りをした「偽政者」がコロナ禍によって炙り出されることを見逃してはならないと強く思う。

jp.reuters.com

国への報告基準で数えると重症者数は437人(うちICU入室または人工呼吸器かECMO使用159人)。

菅首相の偽政者っぷりが露わになり過ぎて存在が薄れている感があるけど、小池百合子都知事の偽政者ぷっりも負けず劣らず酷い。
現在、都はコロナの重症者を120人前後で発表しているけど、これは都が独自に設けた基準による人数でしかなく、実際の国の基準だと既に400人以上に達しているのが実態なんだよね。
したがって、都の医療体制が崩壊していることを訝しがる連中もいるけど、さすがに重症者が既に400人を上回っているとなれば、医療崩壊のイメージも変わってくるかと。
そんな訳で、国の基準をスルーして、都の基準を勝手に用いて矮小化する術は、まさに偽政者に相応しい振る舞いと言わざるをえない。
果たして彼女は重症者のカウントをいつまで誤魔化し続けるつもりなのだろうか。
更に小池都知事は、豊洲市場で関係者160人以上も発生した集団感染もクラスターと認定しなかった前科もある。

www.asahi.com

実態と向き合わず、あの手この手で問題の矮小化を図る様は、まさに偽政者そのものであり、都知事のやっていることは都民の生活と健康を軽んじてることでしかない。
感染実態に基づいて適切な対策を講じることよりも、実態を矮小化し、印象操作でもって、対策のやってる感の演出図っているに過ぎないのだ。
菅首相があまりにぽんこつ過ぎて見逃されているが、悪質さ加減では小池都知事の方が上を行っているとも言えそうだ。
そういえば、関西の方にも、やってる感に精を出している吉村府知事という偽政者がいるね。
なんか慌てて緊急事態宣言を要請しているみたいだけど、そもそも大阪府のコロナの死亡率が突出しているのも、医療行政の予算を削りまくり、都構想に前のめりだった吉村府政にあることは明らかなんだけど、やってる感で上書きされてしまっているようにも思える。
いつまでメディアは彼をヒロイックに扱い続けるのだろうか。

ということで、いずれの為政者にも言えるのは、何も今に始まったことではなく、政治家としての本質は以前から何も変わっておらず、たまたまコロナ禍によって鮮明になっているに過ぎない。
即ち、そんな彼らに権力を与えたのは有権者であり、偽政者を見抜けなかったその責任は、有権者が負うしかないということは自覚しておくべきだろう。

そんな訳で、今の所、東アジア特有のXファクターによって感染者数が抑えられていると思われるけど、コロナウィルスの日々の進化によって、いずれはその効力が失われていくことは必然だ。
したがって最悪の事態を防ぐためには、先手を打っていくしかないのだけど、国会運営を放置し、医療の専門家を遠ざけた政権の態度しかり、実態を誤魔化し、パフォーマンスに明け暮れる首長らを見るにつけ、彼らに国民や都民らの健康や生活を守ろうという姿勢が皆無であることは、もはやはっきりしている。

既に都市部では市中感染が広まるフェイズに突入しており、人々の行動を抑えなければ指数関数的に感染者は増え続けることになるだろう。
というか、もうその兆候が表れている段階だと穴ぼこ的には思っている。
しかし、偽政者にとっての先手とは、予見することよりも誤魔化すことであり、実態の伴うコロナ対策は、事態が悪化してから行うという後手を踏み続けることになるのだろう。
偽政者の重い腰が上がるのは、誤魔化しようの無い悲劇的な事実が明るみに出ること、即ち、犠牲者が大量に増えてからにしかならないということだ。
欧米並みの最悪の状況が待ち構えているかどうかまでは分からないが、もはや事態の悪化は留まることを知らず、それを止める術は失われていると思われる。
残念ながら、この先、悲惨な数字が積み上がっていくのを、延々と見せつけられることを覚悟しなければならない。
もはや我々に出来ることは、400万円近く掛けて作られた、特製の「かるた」でもしながら、現実逃避をするしかないのかもしれない。

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穴ぼこゴルフ2020

前回に引き続きゴルフネタを。

職場の連中に軽いノリで発した「ゴルフ部創るべ!」から、かれこれ数年が経つのだけど、参加者のほとんどがビギナーだったにもかかわらず、今や年2回のゴルフコンペのみならず、泊りがけのゴルフ合宿に行くほどまでに発展しようとはさすがに思ってもなかった。
そもそも穴ぼこオヤジ的には、社会生活を落第してからというものゴルフとは無縁の生活を送っていたこともあって、同僚とのレクリエーション程度のつもりだったのだが、あれよあれよと皆がゴルフにハマっていくことになり、そんな様子を見ているうちに、自身三度目?になろうかというゴルフ沼に気付けば落ちている次第。

まぁ、そもそもゴルフはプレー自体は個人競技とはいえ、実際にラウンドをするとなると一人では簡単に出来ないスポーツなので、実はゴルフ仲間に恵まれている環境が案外大事だったりするんだよね。
そんな訳で、ゴルフ部の連中に追い抜かれることはまだ無いものの、日に日に実力差が縮まっているのを実感することもしばしばで、気付けば、こっちも本気で取り組まざるを得なくなってきてしまい、目下のところ、もう一度70台を出すことと平均スコア80台を達成すべく、精進する羽目となってしまいました。

でもって、最近はコロナ禍で遠ざかっているものの、数年前から始めたランニングによって下半身が鍛えられて、何気にゴルフスイングにも好影響をもたらしてくれたことで、まだまだ自分にも伸びしろがあるんだなぁという実感を得たこともあって、改めて自分のスイングとクラブセッティングを見直している最中だったり。
特に近年のゴルフギアは凄まじい進化を遂げていて、まぁさすがに数万円もするような最新のモデルは高嶺の花なので、コストパフォーマンスに優れた型落ちの中古のギアを買い漁っているうちに、いつの間にやらクラブセッティングの全てが入れ替わってたりも。
元々クラブを頻繁に変えるタイプではなかったのだけれど、今やトッププロですら優しいクラブ、即ちミスしても飛んで曲がらないクラブを使う時代になってきているので、もう一度70台を出すためにも、これまでのプライドを捨て?ゴルフクラブの御力をお借りしてみようと思ってみた次第。

ちなみに、穴ぼこオヤジのクラブ遍歴はというと、覚え始めの10代の頃は父親から譲り受けたセット一式(確かアイアンセットはリンクスだった)を使っていて、社会人になると、当時、ギアオタクの上司がいて、アマ時代のタイガーウッズも同タイプを使っていたとされる名器、ミズノの「TN-87」(中島常幸仕様のプロモデル)を払い下げてもらって、身の程知らずで使っておりました。

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今見ても美しいフォルムのTN-87
数年前には復刻モデルが発売された

でもって、このクラブがホントに難しかった。
プロゴルファーの技術にフォーカスして造られているクラブなので、ちょっとでも芯を外すとまったく飛んでくれないし、元より強くて安定したスイングを身に着けていないと、そもそもまともに当たらないという、まさに上級者でないと満足に扱えない代物。
とにかく、打ちこなせるようになるのには、己が上達する以外に道は無いので、まぁ鍛えられました。
それこそ、穴ぼこゴルフの土台はこのアイアンで培われたと言っても過言ではないかも。

ただし、それなりに上達するにはしたのだけど、30代の中ごろに差し掛かるとTN-87を振り回すには体力的な厳しさを感じるようにもなり、当時プロゴルファーの間でも浸透し始めていたセミキャビティのアイアンに切り替えることに。
で、ミズノの軟鉄の打感だけは手放したくなかったので、アスリートモデルのミズノプロ(MP)の中で、当時一番優しかった「MP-27」というモデルに思い切ってチェンジしたんだよね。

で、このMP-27に変えた途端、スイートスポットが広いので楽に打てるようになったのに加えて、TN-87で鍛えられた影響なのか、やたら飛距離が出るように。
それこそまだストロングロフト時代のクラブではなかったので、自身のポテンシャルがアップしていたということなんだろうけど、7番アイアンで180ヤード以上は飛ばしてんだよね(遠い目)。
ただゴルフの面白くて難しい所でもあるんだけど、TN-87を使っていた時は、ちょっとでも芯を外すとまったく飛ばなかったので、ミスショットをしても大怪我にはならなかったのだけど、MP-27に変えてからは、楽に打てて飛距離も出る分、ミスショットした時の代償も大きくなっちゃったりして、即ち優しいクラブに変えたからといって、即スコアアップに繋がるという単純な話でもなかったんだよなぁ(涙目)。

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まぁそれでも、このMP-27が気に入って長らく愛用してきたのだけど、40代になると徐々に飛距離に陰りが見え始め、にも関わらず相変わらず曲げてばかりだったので、3度目に訪れたゴルフ沼に溺れながら考えたのが、直進性に優れた新世代クラブへの変更。

タイガーウッズの登場以降、プロゴルファーのアスリート化が一気に進んだことで、それまで操作性の高さが求められていたプロモデルのクラブが、アスリート化の時代に入ってからは操作性よりも直進性を求める流れに様変わりし、ドライバーにしろアイアンにしろ、低スピンで高弾道が打てるクラブへと進化を遂げ、今ではプロアマ問わずその流れが主流になってきてるんだよね。

ということで、ちょっと前のモデルながら今だ評価の高いミズノプロ「MP-15」の中古クラブを手に入れて、1年前から使い始めているのだけど、これがまた、ミスショットに寛容な上、ホントに真っ直ぐ飛んでくれるので、思っていた以上に楽にゴルフが出来るようになりました。
ただし、ネットオークションの落とし穴でもあるのだけど、お手頃の値段で手に入れたまで良かったのだけれど、太目のグリップが装着されていて、使い始めはこれに馴染めず右に飛んでばかりで、結局、レギュラーサイズへのグリップ交換を余儀なくされ、せっかくリーズナブルに手に入れた意味を失う羽目にも。
あと、アイアンのシャフトもそれまで挿していたダイナミックゴールドS200がちとハードに感じるようになっていたので、NSモーダス120という最近シェアを伸ばしてきているシャフトが挿さっていたMP-15にしてみたのだけど、その際、色々調べてDGS200に近いとされるXシャフトのクラブにしてみたところ、実際に打ってみると予想よりもやや固くて、思ったよりもボールが上がってくれず、正直、もう少し柔らか目のSシャフトにしておけば良かったかなぁと、ちょっとだけ後悔中だったりも。

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埋め込まれたチタンが直進性を高めているMP-15

とまぁそんな訳で、これまでのアイアンと違って、オートマチックに打てる分、やや物足りないのと、シャフトと自分のイメージにズレも感じてたりで、未だしっくり来てないところはあるのだけれど、ただし、スコアに関しては、MP-15に変えてから明らかに良くなってきているので、新世代のクラブに変えた効果は確実に出てきてはいるんだよね。
まぁ来シーズンは、なんとかクラブを己のものにして、もっと成果を出したいところではあるけれど。

一方のドライバーはというと、30年以上前に初めて手にしたパーシモンドライバーから、テーラーメイドが登場させたメタルウッドを経由して、キャロウェイビッグバーサという王道を渡り歩いたこともあったんだけど、まぁどれを打っても開眼することはなかったね。
要はドライバーが下手だっただけの話しなんだけど、それこそ当時の職場近くのディスカウントショップに1000円で売られていた、聞いたことのない怪しいドライバーが一時期エースクラブだった時代も。
どうせ安物なんだからと、気楽に打てたのが良かったみたい。
そんな訳で、高くて有名ブランドだからといって、必ずしも良いショットが打てるものでもないのが、これまたゴルフの面白くて難しいところだよね。

で、その後、アスリートゴルファーに憧れを抱くようになると、見栄も手伝って、代表的なメーカーでもあるタイトリストを使い始め、今も使い続けている次第。
とはいえ、相変わらず曲げてばかりだけど...
ただ、そんなアスリートモデルに特化しているタイトリストも、近年は積極的にトレンドも取り入れながら、優し目のモデルも造るようになってきたので、自分の力量と交わるようになってきた感がするようにも。
あと、ここ数年の間で各メーカのドライバーヘッドの容積の巨大化が進み、穴ぼこオヤジがどうにも馴染めない、いわゆるデカヘッド型がデフォルトになってきたのと、その影響なのか、穴ぼこオヤジが好きなティアドロップ型のヘッドをしているドライバーも減ってきたりで、ただそんな中、タイトリストだけは、変わらず小ぶりのティアドロップ型のドライバーをリリースし続けてくれているので、他メーカーを使う気になれないってのもあるんだよね。

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現在のエースドライバー、タイトリストD915D2
シャフト交換機能を備えたスリーブをいち早く採用したメーカーでもある

ちなみに、シャフトはこれもまた見栄を張って、ツアーADというプロゴルファーが好むシャフトメーカーのやや前のモデルをずっと使っていたのだけど、相変わらず曲がってばかりで、どうにも行き詰まっていたところ、ふと自分が下手だから曲がるのではなくて、実はシャフトが合っていないから曲がっちゃうのでは?と思い、シャフトに責任をおっ被せることにして最近のモデルに思い切って変えてみたんだけど、なんと、これが大正解!
明らかに曲がり幅が狭くなっただけなく、あっ!ミスした?と思ったショットでも、そこそこ真っ直ぐ飛んでいってくれるので、ちょっとした魔法にかかった感じがするぐらい。

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手応えはイマイチながら、なぜだか真っ直ぐ飛んでくれるツアーAD IZ

いやほんと、つくづく近年のゴルフギアの進化には目を見張るものがあるね。
へっぽこゴルファーの穴ぼこオヤジですら、そこそこ真っ直ぐ飛ぶようになったのだから、そら、デシャンボーやD・ジョンソンが300ヤード以上飛ばしてターゲットを狙えるのも納得だよ。
ただその分、プロゴルファーでもショットに関してはテクニックが不要の時代に突入したとも言える訳で、なんだかつまらない気も一方ではしてみたり。
まぁテクニックいらずの恩恵に授かっている穴ぼこオヤジが言うのも、なんだけどさ。
それこそ、林の中からでもピンを狙うセベ・バレステロスや、全英なんかで青木功のテレビ画面の右端から消えて戻ってくる低空フックなんてショットは、もはや世界遺産になっちゃうんだろうなぁ。

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381ヤードパー4のホールをワンオンさせたデシャンボーのお化けドライバーショット


www.youtube.com
一方、セベのお化けショット

いずれにしろ、アイアンにしろドライバーにしろ、クラブの進化によって直進性が優れてきた分、これからのクラブ選びに関してはシャフトの重要性が高まっていくような気がする。
クラブフィッティングをするなら、シャフトのフィッティングもやって、自分に合ったシャフトを選ぶことが上達の秘訣になりそうだね。

で、最後に残ったパターの話も。
それこそ40年弱のゴルフ歴で、これまで3回しかパターを変えてこなった穴ぼこオヤジ。
しかも最近まで、ノーブランドで転がりの良かった、ゴルフの手ほどきをしてくれた祖父の形見となるパターを20年近く使い続けていたんだけど、遂にこの秋に新しいパターを導入することに。
というのも、最近、ショートパットがイップス気味で手がスムーズに動かないことが増えてきてしまい、これ以上悪くなる前にと、オートマティックに打てるとの評判のテイラーメイドのスパイダーXという人気のパターにすがりつくことにしちゃいました。
って、御祖父ちゃんゴメン!
ただまだ、買ったばかりで2回のラウンドでしか使っていないので、その効果の程はまだなんとも。
ただし、ショートパットのストレスが減った感じはするね。

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ツアープロにも人気のテーラーメイドSpiderX

そんな訳で、気づけば、クラブセッティング一式が入れ替わってしまった穴ぼこゴルフ。
もはやクラブのせいには出来ないので、残すは己を磨くのみってことですな。
果たして、来シーズンこそ夢よ再びの70台を記録することは叶うのか?!
そういえば、最近はもっぱら難しいコースばかり行ってたので、来年は優しいクラブに変えただけでなくて優しいコースにも行ってみたいところ。
ただねぇ、優しいコースだとそれはそれでつまらなく感じてしまいがちなので、なんとも歯がゆいところですな。
とまぁ、まずはそんな贅沢が言えるような世の中に、早くなってくれい!

ということで、お別れは、今年の打ち納めに行ってきた、名門、河口湖カントリーの写真でも。

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難関ロングホールの案内図


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難しさとは裏腹に景観の美しいコースだった


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300yのロングドライブした後、超ダフりからのボギーだった


では、また来年!

アナフィラキシーショット

コロナ禍による行動様式の変化で、人々の娯楽にも様々な制約が起きている今日この頃。
趣味の習い事が多かった穴ぼこ嫁なんかは、お陰で思うような趣味の時間が持てなくなり、ストレスを溜め込んでいるご様子。
一方、趣味の一つがゴルフでもある穴ぼこオヤジの場合、ありがたいことに感染リスクの低い娯楽ということもあって、いそいそとゴルフ場詣でにお出かけする日々を過ごしておりました。

そんなある夏の日のゴルフ場での出来事。
クラブハウスに到着後、早速、スタート前の練習をしようと、ゴルフクラブを担いでコース内の練習場へ向かう穴ぼこオヤジ。
すると、その道すがら、足元になんか虫がまとわりついているなぁと思ったその瞬間...
「ズキ!」
という痛みを左の足首に感じたのでした。

ん、何事?と思って、足元に視線をやると、穴ぼこオヤジの目に飛び込んできたのは




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そう、まごうことなきスズメバチ(汗)

とっさに足を振り払って、その場を後ずさりすると、2次攻撃を仕掛けようとホバリングしながらこちらを睨んでくるスズメバチ
と、その瞬間、クラブを置いたままダッシュで逃げまくったね。

で、なんとか逃げ切ることは出来たものの、冷や汗を拭っている間にじわじわと恐怖が込み上げてきた。
あれ?!おいらこれからどうなっちゃうの?

ということで、とりあえず刺された箇所をつまんだりして、毒を出してみることに。
ただ出血は無さそうなので、それほど深くは刺されていない様子。
あと、全身に毒が回ると良くないので、まずは動悸を落ち着かせて、その足でクラブハウスのフロントに向かい応急処置を頼みに駆け込んだのだけど、なんか他人事のような態度をされた上に、ウナコーワとオロナイン軟膏を差し出して、後はご自分で勝手にどうぞみたいな感じ。

って、え?!事と次第によっては救急車レベルの話しじゃないの!

あまりのフロントの非道な対応に、恐怖を忘れて怒りが込み上げてきたんだけど、血圧上がると毒が回っちゃうので、仕方なく自分で様子をみてみることに。
で、暫く経っても特に体調に大きな変化が起きてこなかったので、まずは一緒にラウンドする仲間達を見つけて事情を話して、万が一穴ぼこオヤジの身に何か起こったら、命を救う行動を取ってもらうようにお願い。
って、今思えば、この時点で、プレーそのものを止める気がまったく起きてないってのが、ゴルフ脳の恐ろしいところなんだけどね。
更に言うと、実はこの時、やんわり頭がボ~っとしていたんだけど、夏の暑さのせいだと己に言い聞かせてもいたり。

ただ実際、ありがたいことにその後の体調になんの問題もなく最後までプレー出来たので、刺されたのが足首だったというのも、もしかして幸いしていたのかも?
とはいえ、スタート前半は、動揺しまくりで、生きた心地がしなくて、まったくゴルフにならなかった。

尚、後に調べたところによると、スズメバチに刺されたら、やはり、まず最初に毒を出す必要があるとのことで、その際は水で洗い流すのが良いのだそうな。
あと、これは割と知られている話だけど、1回目よりも2回目にに刺された時にアナフィラキシーショックを起こす危険が高いとのこと。
まぁ、そう考えると、今回の件は、穴ぼこオヤジにとっては不幸中の幸いだったのかもしれないね。

って、安心している場合か!
そんなことよりも問題なのはここのゴルフ場でしょ。
というのも、スズメバチに刺された後、しばらくして落ち着くと、練習場にクラブを放り投げたまま逃げてきたことを思い出したので、恐る恐る練習場に戻ってみると、打席で練習しているゴルファーの間を縫うように飛んでいる数匹のスズメバチを目撃。
でもって、練習場のボール貸し機の傍らには、ハチ用の殺虫剤がドン!と置いてあるし。
おまけに、その中身は空ときたもんだ。

ハチアブマグナムジェット 蜂駆除スプレー [550mL]

要は、スズメバチがうじゃうじゃいる場所が練習場になってるってことじゃん!
むしろ、刺されない方がおかしいぐらいのレベル。
挙句、フロントの塩対応とかって、マジありえん!(怒)

確かにゴルフ場そのものがスズメバチの被害に遭いやすい場所であるのは、そりゃそうなんだけど、林に打ち込んだボールを探してとかならまだしも、普通にプレーヤーが行き交う練習場がスズメバチの聖地とかって、さすがに駄目でしょ。
せめて、駆除が難しければ、注意喚起を促す看板でも立てておくとか、万が一刺された時のフロント対応とか、改善の余地大ありだと思うよ。
千葉方面にある、近隣の姉妹コースではメジャートーナメントの開催実績もある、ゴルファーの評価も高い系列のコースだったんだけど、もう2度と行くもんか!と心に誓う穴ぼこオヤジなのでした。
いやぁまいった。

...と、ここで話が終わらないのが、穴ぼこゴルフ。
なんの因果か、2度目があったんだよねぇ。

あろうことか、スズメバチに(爆)
しかも、前回刺されたゴルフ場と数キロしか離れていない別のゴルフ場で。

スズメバチに最初の一撃を喰らってから1カ月ぐらい経った頃のラウンド中の事なんだけど、この日は数年に一度に訪れるかというゴルフが絶好調な日で、なんと前半9ホールを終わって2アンダーという、前代未聞の好スコアで回っておりました。
特に新調したばかりのドライバーのシャフトが見事にハマって、なんとロングホールでは数十年ぶりにイーグルを決めちゃうなど、まさに「全集中」でのプレー。

そんで、後半もなんとか粘って、あと4ホールを残してイーブンパーでプレーを続けていて、80切りはおろか70台前半すらも狙えちゃう、40年近いゴルフ人生の中で最高の展開だったんだけど、ただ、思い起こせば、休憩ついでに立ち寄った売店が運の尽きだったのかもしれない。

涼みに入った売店のオバチャンに、つい有頂天になって好スコアの自慢話をしたら、この先、難所のホールが続くから気をつけてねというアドバイスを貰った途端、急に慎重なプレーに意識が向かってしまい、逆にリズムを乱して、どつぼにハマりだす穴ぼこオヤジ。
そうして迎えた16番ホールのグリーン上の出来事。
このホールでシャンクを出して痛恨のダブルボギーを喫してしまったものの、それでも残り2ホールをまとめれば、まだまだビッグスコアが狙えるぞ!と自らを奮い立たせながら、17番ティに向かうべく、グリーン脇のカートに向かおうとしたら、なんだか1ヶ月前にも耳にしたことがあるような、何かが羽ばたいている音が、行く手を阻む。

そう、奴だ!
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しかも、あろうことか、先にカートに乗っていたゴルフ仲間を威嚇するようにカートの周りを飛んでいるご様子。
いやぁ、まいったなぁと思ったその瞬間、くるりと向きを変え、ホバリングしながら穴ぼこオヤジを睨んでくるスズメバチ様。

ヤバい、目が合った(汗)

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と同時に、とっさにパターを放り投げてその場から猛ダッシュを決める穴ぼこオヤジ。
そして、その後をマッハで追いかけてくるスズメバチ
って、もはやデジャブ。

いやもうね、ハリウッド映画張りのカーチェイスだったと思うよ。
アナフィラキーショックのこともあるので、2度、刺される訳には絶対いかないから、冗談抜きに8の字を描きながらハチから必死で逃げまくる穴ぼこオヤジ。

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で、息も絶え絶えになりながら、なんとか逃げ切ったまでは良かったんだけど、命からがら17番のティグランドに辿り着くのが精一杯で、ショットを打つ体力も集中力も、もはや残っておりませんでした。
なんせ、肩で息をしながら打つのですら辛いのに、耳だけはやたら虫の羽音に全集中をせざるえず、いつまた襲ってくるかもやしれない恐怖と緊張とで、はっきり言って、とてもじゃないけどゴルフができるメンタルじゃなかったね。
それこそ、ショットを打とうと集中すると、どこからともなく虫の羽音が聞こえてくるので、その度にビクッ!っと体が反応してしまい、もはやお化け屋敷状態。

ということで、最後の4ホールだけでなんと8オーバーも大叩きを喫してしまい、十数年振りの70台は夢と消え、結局、辛うじて80でプレーを終えることに。
てか、なんだ?!この8(ハチ)のオンパレードは。

いやホント、後半で46もぶっ叩きながらトータル80って、どんなゴルフしてんだ?
とまぁ本来なら、80でもなかなかの好スコアではあるのだけれど、スズメバチにさえ出会わなければ、恐らく75前後のビッグスコアが出ていた可能性があった訳で、アナフィラキーにならなかったのは幸いだったけど、なんだかそれ以上のショックだよ。
そもそもゴルフって、こんなに命懸けでするもんだったっけ?

divot.hatenablog.com

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