穴ぼこ生活

穴ぼこの空いた数だけ書き記すお気楽ブログ。穴ぼこ人生ここに極まリ!

綱渡りは続く

www.kobe-np.co.jp

神戸市で4万人に感染歴があると推定されるこのニュース、2月の時点で既に万単位の感染を疑っていた穴ぼこオヤジからすれば、別に驚きはしないというか、むしろ当然の数値だと思っている。
ちなみに、これ東京都で仮に3%の感染率として人口を1,300万人で換算してみると、都内では約40万人が新型コロナに感染していた可能性があったことになる。
って、今のところ日本全国で確認できている感染者数は未だ1万5千人なんだけどね。

一方、国の方でも献血を用いた抗体のサンプリング検査を実施しているとのこと。

www.yomiuri.co.jp

ただし、5月1日はとっくに過ぎているのになんの音沙汰も無いのはなぜ?
う~ん、なんだか臭うな。
他方、こちらはフェイク気味のニュース。

www.fnn.jp

色々なところでも指摘されているけど、無作為に選んだ被験者ではなく、ネットで応募した希望者なので、サンプリング調査としては極めて不適切なデータとしか言いようがないのだけど、テレビにもよく登場している医師が、78万人も感染している可能性があると軽々しく語ることのなんたる罪深さ。
自ら医師の信用を落としてどうすんの?

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そんな訳で、抗体検査については、必ずしも精度が高い検査ではないので、慎重に判断する必要はあるものの、いずれにしろPCR検査で判明している公の感染者数ってのは、実は氷山の一角でしかなく、凡そ感染の実態とはかけ離れた数字だと考えるべきだろうね。
仮に国が実施している抗体検査でも3%前後の感染率を示す結果が出ていたとするならば、もしそれを公表してしまうと、それまでPCR検査によるデータを根拠に対策を講じてきた感染対策の整合性だけでなく、それこそ専門家会議の存在意義すら失いかねない恐れもありそうで、今更、表に出す訳にもいかなくなってしまい、安倍政権の十八番でもある隠蔽を図るべく公表を控えているんじゃね?なんて、つい下衆の勘繰りをしてしまいそうになるのだけど、本当のところはどうなんだろう。

そもそも当初から国は、重症化しそうな感染の疑いがある患者のみを選別してPCR検査を行ってきたのだけど、一方で、穴ぼこオヤジが経験したように、検査の選別に引っかからない、大多数の患者の存在を切り捨てるような感染対策しか行わなかったことが、後々の感染拡大を広げた要因となったことは疑いようもない話であり、その結果、抑制してきたPCR検査のはずが、今や感染の拡大と共に検査依頼が増加し、検査のキャパシティを越える羽目に陥るとはなんという皮肉だろうか。
ただでさえ国が信頼を失っている今、唯一の信頼すべき専門家会議だったはずが、感染の実態とかけ離れたデータしか持ち合わせていないのだとすると、もはや日本の感染対策までもが信頼に値しないことになるのだけど、果たしてこの先どうなっちゃうの?

そんな訳で、確かに緊急事態宣言の効果も相まって、指数関数的に感染が広がる大規模な爆発的感染を防げてはいるかもしれないけど、その代わりに、じわじわとインクが染みこんでいくが如く緩やかに感染が広がっているように思えてならない穴ぼこオヤジ。
恣意的なPCR検査による感染者の数なぞカウントしたところで、ましてや感染者数の少なさを世界に誇るなど、アホぬかせとしか言いようがない話で、致死死亡率の物差しで日本を見てみると、今や韓国や中国に肩を並べ、このまま追い抜きそうな数値が出ていて、着実に事態は悪化の一途を辿っていることが見て取れるんだよね。

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人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移【国別】より主要国データを引用

このデータから読み取れるのは、日本では感染の広がりが他国より遅かったものの、確実に致死死亡率は上昇してきているということだ。
そしてこの先考えられるのは、都市部でのPCR検査が機能不全に陥っているとした場合、感染者は一定量しか判明しないことになるので、時間が経過しようとも感染者数の横ばいが続くことになり、その一方で死者数だけは確実に増えていき、感染者数と死者数との相関関係に乖離が起き始めていく可能性が高い。
つまり、仮に数十万人規模で感染が広がっていたとするならば、重症化患者は後を絶たない訳で、崩壊寸前とされる医療体制においては、量的なキャパシティもさることながら、時間的、即ち長期戦に耐えうる医療体制の確保も求められることになるだろうね。

そんな訳で、緊急事態宣言の期間延長は妥当な判断であるとは思うものの、安倍総理は昨晩の会見で比較的効果が表れているような趣旨の発言をしていたけど、陽性率にせよ実効再生産数にせよ、いずれも感染者数が正確に把握できてこそ始めて意味を持つ指標であり、都市部を中心に感染の実態が把握できていない現状がある今、それらを鵜呑みにするのはどうかと思うし、その先の収束の見通しなぞ、語れる次元に達していると到底は思えないのだけど...
結局のところ、新型コロナの対策よりもオリンピックの開催に拘ったことが、初動の誤りを招き、感染の実態を蔑ろにしてしまったことで的外れな対策を繰り出すにつれ、今となっては有効な感染対策を見失ってしまったというのが実情なのだと思う。

ただしとても不思議なのが、本来ならとっくに医療崩壊を起こして北イタリアやニューヨークのような事態に発展していってもおかしくない状況のはずなんだけど、どうも重症化する傾向が他国より低く、なぜだか寸でのところで持ちこたえてはいるんだよね。
例えば、公衆衛生の意識が元々高い国民性だとか、緊急事態宣言の効果だとか、色々な要因が考えられるのだけど、どれも決定打を欠いていてどうにも解せない。
そんな最中、ここにきて言われだしているのが、実は既に集団免疫が備わっているのではないかという話も出てきていたり。
一説には日本株のBCG接種が効いているなんて噂も飛び交っているようだけど、少なくとも日本特有の感染の傾向があることだけは確かなようで、その原因を突き止めることができれば、感染対策の光明になりえる可能性はありそうだね。

いずれにしろ、今の日本は、目隠しをしながら綱渡りをしているようなもんで、いつ落下してもおかしくない状況なのだと考える。
経済活動にしても医療体制にしても、ちょっとでもバランスを崩そうものなら、奈落の底が待ち受けているのだ。
であるならば、一刻も早く感染の実態を把握する体制を整えて、せめて目隠しぐらいは取って欲しいところだけど、果たして辺りを見回すことができるようになるのだろうか。
でないと、今、どの辺りを渡っているのかすら分からんよ。
それとも目隠しをしたまま綱渡りを続けることになってしまうのか?
まさに先の見えない展開が、まだまだ続くことを覚悟しておく必要だけはありそうだね。

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