穴ぼこ生活

穴ぼこの空いた数だけ書き記すお気楽ブログ。穴ぼこ人生ここに極まリ!

Aクラスな休日

まさに、すべてにおいてB級の殿堂の街といっても過言ではない町田。
まぁ、そんな町田をリスペクトしてやまない穴ぼこ生活なんだけど、残念なことにAクラス体験が可能なスポットも何気にあったりするんだよね(笑)

そんな訳で、珍しく穴ぼこ夫婦の休みが重なった先週末、部屋の掃除を後回しにして、あれやこれやとその日の予定を思案してみると、いつもなら食べ歩きや映画とか、はたまた中古ショップ巡りなんかに出掛けるところなんだけど、ふとした思いつきで「美術館」を穴ぼこ嫁に提案してみたら、1時間も経った後から、行ってみたい!と急に騒ぎ出した(笑)

そもそも、なんでまた美術館?って話なんだけど、実は町田には「国際版画美術館」ってのがあって、穴ぼこ宅からでも徒歩圏内だったりして、でもって、まだ一度も訪れたことが無かったので、この機会に行ってみても良いかなと思ってみた次第。
ただ、嫁の反応があまりに薄かったので、てっきり、美術館はお流れになったと思いきや、その後、嫁が自らリサーチしてみたようで、どうやら開催中の展示企画に興味が沸いたらしい(笑)

んな訳で、穴ぼこ夫婦には似つかわしくない、知的なA級体験をするべく、版画美術館に行ってまいりました(笑)
ちなみに、入館料は800円。
これで、知性が身に付くのなら安いもんでしょ(笑)
って、その考え方が、既にB級マインドなんですけど...(爆)

町田市立国際版画美術館

町田市民の憩いの場でもある?芹ヶ谷公園の一角にひっそりと佇ずむように建てられている版画美術館。
ちなみに、穴ぼこ宅からすれば、ご近所であることには違いないんだけど、そもそも芹ヶ谷公園自体が谷間の地味な場所にあったり、でもって、何かと曰く付きの公園だったりもして、自ずと版画美術館も穴ぼこ生活の中ではノーマークの存在になってたんだよね。
とはいえ、公園内にも巨大なオブジェの噴水があったりして、なんとなくアートな雰囲気を漂わせてなくもない?(笑)


公園の一角にひっそりとあるにしては、中々に立派な佇まいを見せる町田市立版画美術館



心なしか、水飲み場もアートな感じ?



そんな訳で、てくてくと歩きながら版画美術館の前に到着すると、週末ということもあってか、それなりに人の流れが出来ている様子。
さっそく館内に入ろうとすると、穴ぼこ夫婦に思わぬ展開が待ち受ける。

ん?
入り口の看板になんか書いてあるぞ?
まさかの臨時休館?!



じゃなくて、無料だった(笑)
いやぁ、誠にラッキー!
なんでかよう判らんけど、この日はタダで入れるらしい(T0T)/
って、なんという穴ぼこな展開(笑)
ということで、お言葉に甘えて、いざ入館。
ちなみに、穴ぼこなネコ嫁のヒゲ...じゃなくて琴線に触れた開催中の企画展がコチラ↓


空想の建築―ピラネージから野又穫へ―
2013年4月13日(Sat)〜6月16日(Sun)

この世にはない建築を空想すること、それは私たちが今、存在している世界とは別の世界を空想し、その世界に形をあたえることかもしれません。だとすれば空想の建築群は、人間のイマジネーションと創造力を駆使して生み出されるもうひとつの世界、<アナザーワールド>への入り口ともいえるでしょう。本展ではヨーロッパの古い版画から現代美術へ、時空をも飛び越える<空想の建築群>を展示し、世界を空想の建築というかたちで目に見えるものにしようとした人々の系譜をご紹介します。

※町田市立国際版画美術館HPより引用

ちなみに、ポスターはこんな感じ↓



恐らく穴ぼこ嫁は「アナザーワールド」って言葉に反応したんだろうなぁ(笑)
なんせ、現実の世界は「穴ぼこワールド」だもんねぇ...
って、上手いこと言うてる場合じゃない!(笑)

で、肝心の展示内容はというと、古代エジプトの建造物を描いた版画から始まって、ピラミッドにインスパイアされた絵画とか、聖書や宗教を題材とした版画、更には18世紀頃の劇場や近代のニューヨーク建築を題材にした版画や絵画など、変わったところでは、建築模型を模したモダンアートなんて展示も。
要するに、空想や復元に基づいた建造物に関する版画を中心とした、かなりマニアックな企画展といったところ。
でもって最後に、企画テーマを集約するように「野又穫」という空想建築の画家の作品群で企画展を締めくくる内容となっておりました。

と、ここでカミングアウト。
ワタクシ、今となっては、芸術のかけらも感じさせない穴ぼこなオッサンとなってしまいましたが、実は、少年時代の夢はなんと!?画家になること(笑)
それこそ、プロの画家のアトリエに通って、デッサンから彫刻まで、いわゆる美術を習っていた時期がありました。
で、いつの日かヌードを描いてやる!なぞという崇高な志を持って、画家に憧れる日々を送っていたんだけど、当時、習っていた画家の先生の暮らしぶりを見ていて、実はそんなに儲かりそうもない仕事なのかも?なんて厳しい現実を垣間見てしまい、あっという間に夢から覚めたものでした(笑)
まぁ、それはともかく、かなり高度なことも習っていたんで、それこそエッチングの版画なんかも作ったりして、結局、ヌードは描くものではなく、見るものだという悟りを開いた、エッチングなオッサンになっちゃったけど、今にして思えば貴重な体験をしてたんだなぁと改めて感じるね。

そんな訳で、古代エジプトが描れた精巧なエッチング版画を前にして、自らの過去の思い入れも手伝ったりで、妙に感慨深く見入ってしまいました(笑)
特にエッチング版画の場合は、実線による描き込みのみならず、銅版を酸で腐食させる技術も駆使して表現をしなければならないので、多少なりともその難しさを知っている分、いずれの作品のクォリティの高さには脱帽する他ありませんでした。
あと、1点のみだったけど、まさかブリューゲルの版画にお目にかかれるとは思わなかった。
偶然にも、子供の頃からブリューゲルのへんてこりんな版画が好きで、それこそ、版画集を持ってたぐらい(現在消息不明)だったので、思わず興奮してもうた(笑)

ただねぇ。
建造物に関する版画作品のオンパレードということで、要は図面や設計図のような幾何学の世界をひたすら見せ付けられているようなものなので、もはや芸術というよりは学術的な要素の方が濃すぎて、さすがに延々と見続けていると、脳ミソが溶けそうになってしまった(笑)
それこそ、数学の難問を次から次へと出題されてるようなもんで、展示の後半になると、完全に思考停止状態に(笑)
だもんで、見終わった後は、館内のソファーでぐったりする穴ぼこオヤジの姿を披露する羽目となりました(爆)
って、一体、何しに美術館に来たんだか...
一方、穴ぼこ嫁はというと、文字通り「アナザーワールド」の体験が出来たらしく、なんだか楽しそうに見ておりました(笑)
まさに、ネコが小判でチャラチャラと遊んでたような感じ?



ジョン・マーティンという1800年代のイギリス人画家の版画
宗教色の強い幻想的な作品が特徴のようで、偶然にも穴ぼこ夫婦揃って一番印象に残った版画だった(笑)


1700年代のイタリアで画家や建築家として活躍したピラネージによる古代遺跡を復元して描かれた版画


同じくピラネージの想像によって描かれた古代地図の版画
もはや、ここまで来ると正気の沙汰とは思えん!(笑)


企画展の最後を締めくくった野又穫の絵画作品
空想の建築物をキャンパスに結実させる、ある種のリアリティには驚嘆を覚えたものの、既に幾何学によるノイローゼを引き起こしていた穴ぼこオヤジには、それを受け止める余力が残されていませんでした(笑)


結果的には、とても面白い企画展だったんだけど、あの異様なまでの細かな表現を、あのボリュームでとなると、こうして今振り返ってみただけでも、ちょっとめまいが起きそうになってくる(笑)
ということで、B級な街、町田で堪能出来たA級体験とは、アートのAというよりも、
穴ぼこ旦那にとっては「アカデミック」のA?
でもって、穴ぼこ嫁は「アナザーワールド」のA?
というAクラス体験な休日となりました...

てな、上手いオチ?にならないのが、穴ぼこ生活(笑)
なんでかって言うと、今回の美術展、右脳よりも左脳を刺激するような、まさにアカデミックな企画だった訳なんだけど、
ところが、それら展示作品を説明する館内のボードを読んでいた時、まるで企画意図に反するが如く、ところどころに誤字を発見!(笑)
って、やっぱ、それはダメでしょ。
例えるなら、高級レストランが看板メニューの綴りを間違えているようなもん?(笑)
んな訳で、町田ってば、どうしてもB級感が滲み出てしまう街なのね(爆)
いやはや、町田クォリティ恐るべし!


ちなみに、下の画像は、美術館からの帰り道に、さりげなく撮った穴ぼこ写真。




無意識に美術展の影響を受けた作風になってる...?(笑)