穴ぼこ生活

穴ぼこの空いた数だけ書き記すお気楽ブログ。穴ぼこ人生ここに極まリ!

春の催し事 其の1

穴ぼこ嫁の誕生日祝いを兼ねて、以前から行く機会を伺っていたお店にランチへとお出掛けしてきました。
場所は、小田急線の鶴川駅から徒歩20分ぐらいの閑静な住宅街の中にあるフレンチレストランで、なんでも、ミシュランの星も獲得している都内有名店で腕を奮っていたシェフが、鶴川にある自宅を改装して開いたお店なんだそうで、1日僅かランチ2組、ディナー1組限定の完全予約制という、まさに隠れ家的なレストラン。
で、実際に行ってみたら、隠れ家的どころの話じゃなくて、いやホント、ちょっと隠れ過ぎでしょっ!ていうくらいリアルに隠れ家となっているお店でした(笑)

そんな訳で、小田急線の鶴川駅を降りて穴ぼこ夫婦が歩みを進めて行くと、辺りは野山と住宅街に次第に囲まれていくようになり、もはやレストランへお出掛けというよりは、家庭訪問の先生か、はたまた訪問販売の営業サンにでもなった気分に(笑)



鶴川駅からしばし歩いて、野山を通り抜けた先の住宅街を目指します



道中には春のお便りなんかも



周囲は、巡回バスが走っているような、いわゆる新興住宅地
この近くに件のレストランがあるはずなんだけどなぁ?!(汗)


そして、スマホのナビが示す通りに辿り着いたお店は...






どこからどう見ても普通の一軒家だった(笑)


ということで、お目当てのお店になんとか辿り着いたんだけど、場所、間違えてないよね?!
と、何度も携帯電話のナビを睨めっこをする穴ぼこオヤジ(笑)
でもって、恐る恐る、玄関の扉を開けて中に入ってみると...
シェフが笑顔で出迎えてくれて、ほっと一安心。
って、これ、入る家を間違えてたら、単なる不法侵入ですから(汗)
見るからに怪しい中年夫婦が、土曜の昼間の住宅街をうろついて、他人の家へ勝手に上がりこんでりゃ、誰がどう見ても空き巣狙いにしか見えないっしょ!(爆)



お店?いや、家の玄関を開けて入ってみると、お野菜達がお出迎え


まさに他人のお家にお邪魔するが如く、靴を脱いでスリッパに履き替えて部屋に通されると、そこには20帖ほどのフローリングに大型キッチンと大小二つのダイニングテーブルがセットされていて、洒落た作りに、ようやくレストランに訪れた気分になる穴ぼこ夫婦(笑)
それにしても、こんな所にフレンチレストランがあるなんて、そりゃ外からじゃ絶対に分かる訳ないよなぁ。



う〜ん。何度見ても、やっぱり住宅街に立ち並ぶ普通の一軒家(笑)


ちなみに、その昔、友人に港区白金台にある、同じように一軒家で営業しているお店*1に連れていってもらったことがあったけど、白金台だけに、お洒落なお店や有名店が軒を並べるエリアにあって、隠れ家的なプライベート感が、むしろステイタスを引き立てていて、プライスレスな雰囲気を醸し出していたんだけど、ここは、都心からも、そして駅からも離れた、文字通りの住宅街のど真中になる訳で、そもそも隠れる必要もない場所で、なんでまた隠れるようにレストランをやっているんだ?!(笑)

とはいえ、その答えを確かめようにも、ランチをいただいてみないことには、何も言えないよね。
ということで、大きなテーブルの席に通してもらうと、早速、スパークリングワインで穴ぼこ嫁の誕生日を祝して乾杯すると、いよいよランチの始まり始まり〜!



この日のメニューはこんな感じ



リエットという豚のパテとバターを



自家製パンと一緒に食します



箸置きはシェフのお父さんのお手製とのこと、他にも照明やインテリアなど、いくつか手掛けてるのだそうな



シーフードのポワレイカの肝のソースの下にスクランブルエッグが隠れている一品
スクランブルエッグと肝ソースが絶妙に絡んで、スプーンが止まらくなる濃厚な味わいが、たまらなかった



このお店の看板メニュー?でもある、シェフの親類の畑で採れた山梨と愛知の旬菜盛り合わせ
素材、彩り、調理のどれを取っても一級品の一皿


ちなみに、この野菜の盛り合わせ、パレットに広げた絵具の如く、絵画的な美しさもさることながら、野菜の素材を引き立てる塩加減があまりに絶妙過ぎて、一体どんな食塩を使っているのかどうにも気になってしまい、食後にシェフに尋ねてみると...

「スーパーで売られているような普通の塩ですよ」

とあっさり返され、思わず唖然とするしかなかった穴ぼこオヤジ(笑)
塩茹でした野菜をベースに調理が施されているんだけど、シェフ曰く、塩分の濃度をかなり高めにして茹でるのだそうで、各野菜の浸透圧を考慮しながら、塩加減や茹で加減をそれぞれ調整して行っているのだとか。
う〜ん、これぞプロの技!という細やかさですな。

「こつ」の科学―調理の疑問に答える

あと、山梨と愛知という四季の訪れの微妙な違いによって、バラエティに富んだ野菜が揃えられるとも仰っておりました。
美味しさの基本は、やっぱ素材なんだよねぇ。
でもって、それに最高級の腕前が加わるんだから、そりゃ絶品になるのも当たり前の話ですな。
それこそ、例えば一部の野菜はピクルス風になっていたりと、これだけ違う野菜に対して、それぞれ特徴に合う微妙な調理が施されていて、なおかつ塩加減や食感に統一感がもたらされているので、もはや感嘆する他なかったね。
で、料理を出してもらった時に、丁寧に一つ一つの野菜を教えてもらったんだけど、いかんせん種類が多過ぎて、さすがにもう全部は覚えてないので、ここでは省略(笑)
まぁでも、見た感じで大体わかるよね?
ちなみに、どれも美味しかったんだけど、穴ぼこオヤジ的にはピーナッツが一番印象に残ってるかな。

で、続いて出てきたのが...



菜の花のソースがかかったサワラのポワレ



ちなみに、横から見てみると...結構、分厚いお皿!?(笑)


フレンチと言えば、見て楽しめる芸術的な盛り付けも特徴の一つと言われてるけど、ここはフレンチの割にはシンプルでカジュアルな盛り付けにしてあって、その分、使っているお皿にユニークな物が多くて、穴ぼこ夫婦を楽しませてくれました。
これもまた、コース料理を味わう際の醍醐味だよなぁと、改めて感じる次第。
まぁ、普通のキッチンじゃ、邪魔で置きにくいわ、洗いにくくてしょうがないわ、だもんねぇ(笑)

続いてお肉料理。



金柑のソースが、驚きと美味しさを同時にもたらしてくれた合鴨のポワレ



最近、すっかり見かけなくなったサイフォン式コーヒーメーカ
大昔の穴ぼこ実家にもあったなぁ
当時、アルコールランプの火に蓋をかぶせて消す係りを率先してやってた記憶が...(笑)


そして、最後はデザートタ〜イム!



イチゴのミルフィー
穴ぼこ嫁のお皿には、フランス語でメッセージを添えてもらったんだけど、さっぱり読めんかった(笑)



ご覧の通り、中はさっくさく!
デザートにも一切手抜き無しの技と美しさと美味しさが詰まった一品となっていた



こういった小物にもお店のセンスが




以上、もちろんすべて完食!
そして、すべてに舌鼓を打たせていただきました(笑)
まぁ、普段は貧乏料理しか食ってないから、よりそう感じちゃうのかもしれないけど、銀座や青山辺りでないと味わえない高級フレンチを、なんと、ここ鶴川で堪能できちゃうんだから、ある意味、贅沢な話だよね。
ちなみに、お値段もそこそこ贅沢にはなってます(爆)

とはいえ、一軒家の一部屋を丸ごと貸し切ってるようなものなので、プライベート感は満載だし、ここまでリラックスしながら高級フレンチを味わえるお店ってのは、どこを探しても、そうは見つからないんじゃないのかな。



お店にある和タンスの上に飾られていた茶釜
思わず一目惚れしちゃったんだけど、シェフ曰く兜をイメージして作られた物なんだとか
ただし、注ぎ口がこぼれまくって仕方がないので、あえなく置物に(笑)


で、食後に、シェフと少しお話をさせてもらったんだけど、なんでも最近、鶴川の駅前に新しくワインバーを出店したのだそうな。
今まで作っていたフレンチの惣菜なんかも、新しいお店で提供するのだとか。
う〜ん、こちらも気になる。
既に、穴ぼこ嫁は行く気満々でした(笑)

あと、常連さんからは、料理教室を開いて欲しい声もいただいているとのことで、シェフご本人的には謙遜していたけど、機会があればやるかもしれないとのこと。
穴ぼこオヤジ的にはフランス料理ってあまり挑戦したことがないんで、是非、その機会に立ち会ってみたいところだね。

ちなみに、鶴川で思い出したんだけど、実はもう一軒、鶴川には隠れ家的な創作フレンチのお店があって、そこは、ここよりも更にアクセスの悪い奥まった住宅街にある洋館のレストランで、去年、穴ぼこ嫁の退院祝いで、親族一同引き連れて食べに行ったんだけど、雰囲気含めて、このお店も、なかなかに良かったんだよなぁ。

霜月亭

食べログ 霜月亭

そう考えると、町田界隈って、だだっ広いだけあって、あえて?悪アクセスな立地で営業しているお店が結構あるんだよね(笑)
車があれば、もっと色々行ってみたいところなんだけど、いかんせん、バスやら歩きやらで、やっとの思いで行ってみて、ハズレを引いちゃうとダメージでかいので、ちょっと二の足を踏んじゃうんだよなぁ(笑)

でも、今回のお店は、文句なく大当たりのお店でした。
なにより、穴ぼこ嫁の満足そうな顔がそれを物語ってたね(笑)
ちなみに、ここまでお店の名前には触れずじまいだったことにお気づきのアナタ!
いやぁ、よだれ出てますよ(笑)
実は、お店的には、あまり積極的に情報を出していないようなので、あえて触れなかったんだけど、まぁなんせ住宅街にあるし、1日1〜2組の限定予約だし、そんなに宣伝する必要がないのかも?
実際、口コミでお客さんが広がっているみたいだし...
なので、最後まで穴ぼこブログを読んでいただいた方にだけこっそりとお教えします(笑)
「緑山松田家」で探していただいて、是非、訪れてみて下さい。
これぞ、口コミならぬ穴コミ?!(笑)




*1:その時の穴ぼこブログのエントリー http://d.hatena.ne.jp/divot/20120519/p1