新型コロナウィルスが炙り出すもの
このニュースを目にしてひっくり返ることしか出来なかった。
新型コロナウィルスのPCR検査に関して、加藤厚労大臣は数的限界を理由に大規模な検査体制については否定的なスタンスを貫いてきているが、そもそも現状の検査体制下ですら、まともに稼働していないことを露呈している。
とにかく検査対象の基準を下げることも、検査のキャパシティを広げるつもりは無い訳で、つまりは、重症化しなければ、ウィルス検査すら受けられない現状を喧伝しているに過ぎず、要は検査を受けたければ、どうぞ重症になってくださいと言っているようなもんでしょ。
これって、国民を見殺しにしても構わないと言っているに等しく、さすがは戦前回帰に執着する政権だけのことはあるよね。
つっても、これによって何を得ようとしているのか、もはや想像を絶するレベルだけど。
既に数万単位で感染者が広がっている可能性が高い中で、政府が主導的立場でなんら対策を講じようとはしない国って、果たして日本以外にあるのだろうか。
国を挙げて必死に対策を講じている韓国ですら、もはや流行を止められなくなりつつある中で、まさに丸腰でウィルスを迎え打たんとしている我が日本。
みんなでかかれば怖くない！ってか？
第二の武漢へと躍り出る局面が避けられそうもないどころか、もはや武漢越えの危険すらある状況だと思うのだけど、その実態が明るみに出ることはないのだろうね。
そもそも、これまで強権的な政治を志向し、議会制民主主義を破壊しまくってきた安倍政権が、こと新型コロナに関しては、対策を自治体に丸投げし、社会に対しては自粛や要請をお願いすることしかせずって、おいおい、いつもの総理大臣の歪んだリーダーシップは一体どこへやら？
拍子抜けするほど、総理の存在感を消そうとしているようにしか見えないのだけど、恐らく、国内の感染拡大を回避することよりも、自らの政治責任を回避することで頭が一杯なのだろう。
とはいえ、それも仕方のない話で、政治に対する無責任や無関心な国民がかような無責任な政権を生んでしまったともいえる訳で、今回の事態を前に、政府がその責任を果たそうとしないのであれあば、その変わりに国民が大きな犠牲を払う羽目になるのは、至極当然の話ではあるんだよね。
まぁ歴史的に見れば、伝染病の出現と流行は、例えば、人口増加や自然破壊といった人間社会の暴走や歪がもたらしてきた側面もある訳で、ある意味、人類の存亡が試されているとも言え、何も日本に限った話ではなく、世界的にもその岐路に立たされることになるのだと思う。
そんな訳で、国家に期待が持てない以上、新型コロナウィルスが炙り出す、政治や社会の劣化を見逃さず、自己防衛に繋げていくしかないのだという境地に達しつつある今日この頃。
