穴ぼこ生活

穴ぼこの空いた数だけ書き記すお気楽ブログ。穴ぼこ人生ここに極まリ!

秋のオーガスタ

アメリカはオハイオ州にあるオーガスタナショナルゴルフクラブにて毎年開かれているマスターズトーナメントなんだけど、今年はコロナ禍の変則スケジュールによって、初の秋開催となったことで日照時間も短くなった為か、選手達のスタート時間*1も早まったりで、何気に生中継を見るには難儀する羽目となり、お陰で最終日を迎える頃には体がボロボロになってしまった。
というのも、丁度、日本時間の深夜に上位選手達がスタートするので、リビングのソファーに腰かけてのんびり見ていたはずが、知らぬ間に寝落ちしつつは、ふと目が覚めては起きて見るの繰り返しで、もはや試合の記憶が曖昧かつ断片的でしかないんだよね。
元より、松山クンが、もう少し優勝争いに加わっていれば、目をかっ開いて見てたのかもしれなかったけど、結局、トーナメントの方はダスティン・ジョンソンの無双振りが際立って終わるマスターズとなった。
とはいえ、これまでメジャー大会では、幾度も優勝を逃したり、不運に見舞われることも多々あったので、文字通り、悲願のマスターズ制覇を成し遂げたDJの目にも涙だったのは、ちょっと感動的だったね。

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ちなみに、マスターズは85年のB・ランガーの優勝以来、欠かさず見てきているのだけど、今回、初の試みとなった秋開催は、なんだかマスターズのようであって、マスターズのようではなかった大会だった。
特にグリーンコンデションが春の時とは全く異なり、柔らかくてボールもよく止まりやすくなっていて、ガラスのグリーンは一体どこへやら。
なので、一転、スコアの伸ばし合いの展開になるかと思えば、必ずしもそうではなくて、皆さん、それなりにパッティングには苦しんでいたご様子。
加えて、パトロン(ギャラリー)不在や紅葉とかで、いつもと見える景色が異なっていただけでなく、春には生えて無い、バミューダ芝が選手達にちょっかいも出していたようで、他メジャーとは違って、毎年同じコースで行われる大会だけに、むしろ、コースに対するこれまでの経験や知識が選手達を惑わす方向に作用した側面もあったらしい。

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タイガー・ウッズの登場以来、選手達のアスリート化に磨きがかかり、クラブやボールの進化も留まるところを知らないけど、五感による情報収集や、それらを分析して判断する能力が求められることが、ゴルフをプレーする上では、今も変わることのない重要な要素な訳で、ある意味、選手達の能力が試される大会だったようにも思えるね。
そういった意味では世界ランクが証明しているように、総合力に優れたDJが優勝したことは必然だったとも言えるのかもしれない。

で、DJや松山の影に隠れてあまり話題になってないけど、そんな猛者どもに囲まれながら、実は穴ぼこオヤジがマスターズを見るきっかけにもなった35年前の覇者でもある御年63歳となったベルンハルト・ランガーが、あろうことか通算3アンダーの29位に入る快挙を成し遂げていたという事実。
まさに穴ぼこオヤジが高校生だった頃に優勝を果たしたランガーが、未だ現役でプレーしているのもさることながら、世界のトッププロに交じって、世界屈指の難コースをアンダーパーで回り、自身が優勝したメジャートーナメントで35年後にもなっても予選突破を果たして30位以内に入っちゃうって、どんだけど凄いことか。
これって、DJの優勝も素晴らしいことなんだけど、それ以上に称賛に価するビッグニュースだと思うのだけどなぁ。
しかも、3日目にはR・マキロイ、4日目は今話題のB・デシャンボーという、そうそうたる超ビッグヒッター達と同組で回った挙句、デシャンボーよりも上位に入るとかって、もはや漫画の世界でしょ。

ちなみに、ランガーが優勝した35年前は、まだパーシモン(木製)のドライバーが使われていた時代で、プロのドライバーの飛距離にしたって、せいぜい250~260ヤードぐらいだったのが、今や、選手の肉体改造も進み、クラブにも最先端の素材や技術が使われるようになり、300ヤード以上は飛ばさないと勝てない時代に突入した中で、63歳のプロゴルファーが同じフィールドで戦って成績を残すって、今のゴルフの常識では到底考えられない出来事だよ。

思うに、最もオーガスタを知り尽くしているランガーだからこそ成し得たということは言えそうだけど、つまりは、いくらゴルフが進化したからといって、簡単に攻略させてもらえないのが、このオーガスタナショナルGCというところなんだろうね。
そんな訳で、過去、幾度となく様々な奇跡を見せてくれたマスターズトトーナメントだけど、今年は、悲運に見舞われてきたダスティンと、年代を越えて挑戦し続けているランガーに、オーガスタの女神が微笑んでくれたのかな。

いつもとは違う妙な感じのマスターズトーナメントではあったけど、例年であれば、名残惜しさを抱えながら、また1年を待つところ、半年後には、また開かれるというのは、ファンにとってはありがたいかもね。

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*1:後で知ったのだけど、中継局のNFLの試合開始時間の影響で早まったらしい